格安SIM・MVNOにおすすめのモバイルWi-FiルーターHW-02E
格安SIM・MVNOはモバイルWi-Fiルーターでも使える!
スマートフォン料金を節約するために使われることが多いMVNOの「格安SIM」ですが、通話ができないデータ通信専用SIMの場合は、モバイルWi-Fiルーター(別名・ポケットWi-Fi)に装着して使うという方法もあります。
モバイルWi-FiルーターまたはポケットWi-Fiとは、その名の通り、ポケットなどに入れて持ち運ぶことができる小さなWi-Fiルーターです。ただし、家庭や職場に設置して光回線を無線化するWi-Fiルーターとは異なり、スマホと同じように携帯電話回線を用いた無線通信を行います。単体ではアプリの使用やウェブサイトの閲覧などは行えませんから、パソコン・スマホのWi-Fi機能を使って接続する必要があります。
ここで「スマホと同じ回線を使うなら、なぜわざわざモバイルWi-Fiルーターを選ぶんだ?」という疑問が浮かびますね。その答えとしては次のような事柄が挙げられます。
- Wi-Fi接続のみに対応しているゲーム機・タブレットを外出中に使う
- 複数の格安SIMを契約することで、スマホの格安SIMで通信障害が起きてもモバイルWi-Fiルーターの回線を使える
- 普段はスマホで低速通信専用の格安SIMを使い、高速通信したい時だけモバイルWi-Fiルーターを起動する
- 自宅・職場の光回線に接続できない時の予備
- スマホの格安SIMはau回線、モバイルWi-Fiルーターはdocomo回線にして使い分ける
私がおすすめするのは、5番目の使い方です。auの中古スマホはdocomoよりも安い場合が多く、mineoやUQ mobileなどau回線を使った格安SIMの使用に適しています。ただし、auの電波が届かない場所も存在しますから、予備としてdocomo回線の格安SIMを使ったモバイルWi-Fiルーターを持つというわけです。
docomoが販売したモバイルWi-Fiルーターはいわゆる「SIMフリー」ではありませんが、docomo回線を使った格安SIM・MVNOであれば、SIMロック解除などの面倒な手続きを行わなくても使えます。
HW-02Eのように発売から2年以上が経ったdocomoのモバイルWi-Fiルーターは中古をヤフオクなどで4,000円以下で買えることも多いですから、特におすすめです。
モバイルWi-Fiルーターはどの機種がおすすめ?
2016年11月現在、私がおすすめするのは中国・Huawei(ファーウェイ、華為)のHW-02Eという機種です。私は送料・税込で約4,000円で購入することができました。
中古なので傷・汚れが多いですね……。
HW-02Eははっきり言って特別優れているわけではありませんが、価格と性能のバランスが良いのです。2017年までに発売されるdocomoのLTE対応モバイルWi-Fiルーターを一覧表で比較してみましょう(3Gのみ対応の機種は記載していません)。
機種名 | 周波数帯(Bands) | 下り最大通信速度 | 重量 | LTE連続通信時間 | 発売時期 | |||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
Band 1 2GHz, 2.1GHz | Band 3 1.7GHz, 1.8GHz | Band 19 800MHz | Band 21 1.5GHz | Band 28 700MHz | Band 42 3.5GHz | |||||
L-04D | ○ | - | - | - | - | - | 75Mbps | 約89g | 約4時間 | 2012年6月14日 |
L-03E | ○ | - | ○ | ○ | - | - | 100Mbps | 約142g | 約12時間 | 2013年1月19日 |
HW-02E | ○ | - | ○ | ○ | - | - | 112.5Mbps | 約103g | 約2時間 | 2013年3月16日 |
L-02F | ○ | ○ | ○ | ○ | - | - | 150Mbps | 約156g | 約13時間 | 2014年2月22日 |
HW-01F | ○ | ○ | ○ | ○ | - | - | 150Mbps | 約98g | 約7時間 | 2014年3月22日 |
HW-02G | ○ | ○ | ○ | ○ | - | - | 225Mbps | 約110g | 約8時間 | 2015年2月18日 |
L-01G | ○ | ○ | ○ | ○ | - | - | 225Mbps | 約110g | 約17時間 | 2015年3月25日 |
N-01H | ○ | ○ | ○ | ○ | - | - | 337.5Mbps | 約117g | 約10時間 | 2016年2月17日 |
HW-01H | ○ | ○ | ○ | ○ | - | ○ | 370Mbps | 約173g | 約18時間 | 2016年6月29日 |
N-01J | ○ | ○ | ○ | ○ | - | ○ | 682Mbps | 約110g台 | 未定 | 2017年3月(予定) |
このページで取り上げているHW-02Eは上から3番目ですが、この表を見る限りではスペックが低いですね。LTE連続通信時間は約2時間とかなり短いですし、対応周波数帯も少なめで、下り通信速度は最大でも112.5Mbpsにしかなりません。ただ、格安SIMで使うならばこの性能で充分です。
HW-02Eのおすすめポイント
繰り返しになりますが、HW-02Eは2013年3月に発売された古い機種のため、2016年11月時点では中古をヤフオクで約4,000円で購入できます。
もちろん、ただ安いだけではありません。重量が約103グラムと比較的軽いので、持ち運びしやすいこともメリットです。
また、2016年10月に発売された雑誌の調査によると、docomo回線を使った格安SIMは最新の機器でも50Mbps以上の速度が出ることはめったにないため、112.5Mbpsもあれば充分です。
次に周波数帯をご覧頂きたいのですが、電波は周波数が低いほど(数字が小さいほど)遠くに届きます。HW-02Eはまだ使われていないBand 28を除けばもっとも周波数が低いBand 19(800MHz帯)に対応していますので、docomoのLTE対応エリアならば圏外になる可能性がほとんどありません。
周波数が高くなればより高速で通信できるという利点もありますが、先ほど述べたように格安SIMではそこまで速度が出ませんから不要です(話を簡単にするために周波数帯だけに焦点を絞っていますが、実際はLTEにも複数の規格があるのでもっと複雑です)。
最後に、HW-02Eとほぼ同じスペックのL-03Eとの違いをご説明します。ヤフオクの中古価格だけを比べれば、実はL-03Eのほうが1,000円ほど安く、送料・税込で3,000円未満で落札できることもあります。
ですが、HW-02Eは電源オフの状態から約10秒で起動できるという大きなメリットがあるのです。連続通信時間自体は2時間ですが、「普段は電源を切っておいて、必要な時だけ使う」という方におすすめですね。一方で、「長時間使いたい」ならばL-03Eのほうがおすすめです。
なお、HW-02Eには専用のACアダプターが存在しますが、本体のみの中古を購入した場合でも、microUSB端子があるAndroidスマートフォン用のACアダプターで充電できます。私は「au共通ACアダプタ05」で充電しています。
おすすめの格安SIMは?
このページで紹介しているHW-02EはSIMフリー機種ではありませんが、docomo系の格安SIM・MVNOならばSIMロック解除しなくても通信できます。
私は余っていたnuroモバイル(So-net)の0 SIMをHW-02Eにセットしましたが、データ通信専用のdocomo系格安SIMをお持ちでない場合は、以下の2種類が価格と速度のバランスが取れているのでおすすめです。
- 【FREETEL SIM】299円 全プラン対応パック(ナノ/マイクロ/標準SIM)
- 【Amazon.co.jp限定】 [iPhone5~7 / Galaxy S6 / Xperia Z3~Z5 他対応] DMM mobile SIMカード データ通信専用 nanoSIM 月額440円~ DDN001
この記事はモバイルWi-Fiルーター(ポケットWi-Fi)の紹介がメインなので格安SIMの料金・注意点などの詳細は省きますが、ひと月のデータ通信量があらかじめ決まっている場合はDMMを、月によって上下する場合はFREETELをおすすめします。
ただ、格安SIMすべてに当てはまることですが、この2社は「『比較的』速度が安定している」だけで、場所や時間帯によっては「遅すぎて使い物にならない」ということもあり得ます。ご了承ください。
HW-02EはmicroSIM対応ですが、nanoSIMでも変換アダプタを使えば装着できます(アダプタのみを取り付けようとすると故障の原因となります)。
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HW-02Eの設定方法
では、実際にHW-02Eを設定して使用してみます!
HW-02Eの電源を切った状態で裏蓋を開けてバッテリーを外し、ストッパーを持ち上げて、写真のような向きでSIMカードを挿入します。この時、本体内部に記載されているSSIDとWPA KEYを書き留めてください。
SIMカードを取り付けることができたら、HW-02Eの電源ボタンを長押しして電源を入れます。
次にパソコンまたはスマートフォンのWi-Fi設定画面を開き、先ほど書き留めたHW-02EのSSIDを選択して、WPA KEY(パスワード)を入力して接続します。
接続できたら、ブラウザを起動し、アドレス欄に「http://192.168.8.1/」と入力します。すると、下のような設定画面が表示されます(表示されない場合は別のブラウザで試してください)。
画面上部の「設定」をクリックします。パスワードの入力を求められたら「admin」と入力してください。次の画面では左メニューから「モバイルネットワーク」を選び、「プロファイル管理」をクリックします。
上のようにプロファイル管理画面になります。私の場合は、前の所有者が設定したAPNが残っていました。この画面で「新規プロファイル」をクリックします。
格安SIM(MVNO)の説明書に書かれた通りにAPN情報を入力してください。なお、HW-02Eでは「認証方式」を「自動」「PAP」「CHAP」の3種類から選べますが、「PAPまたはCHAP」はありません。格安SIMの設定方法で「PAPまたはCHAP」が指定されている場合は、別途サポートにお問い合わせください。
APN情報を入力して「保存」をクリックすると、HW-02EのWi-Fi(無線LAN)を経由してインターネットに接続できるようになります。当たり前ですが接続中は格安SIMのデータ容量を消費しますので、HW-02EのWi-Fiを使わない時は電源ボタンを長押しして電源を切ってください。
ホームに戻ると、先程は「サービスがありません」と表示されていた箇所が「DOCOMO」に変わっており、無事に接続できたことがわかります。この状態でパソコン・スマホなどからSSIDとWPA KEYを入力してWi-Fi接続すると、MVNO・格安SIM経由でインターネットに接続できます。
なお、デフォルトの状態では簡単なパスワードを入力するだけでHW-02Eにアクセスできますから、「設定」「Wi-Fi設定」「基本設定」と進んで、「WPA事前共有キー」(パスワード)を変更しておくことをおすすめします。暗号化方式がAESの場合は、入力できるのは半角英数と , " : ; \ & % + ' < > ? の12種類以外の半角記号で、文字数は8〜63文字です。もちろん、パスワードは他人に知られたり、紛失したりしないようにご注意ください。