2017年1月26日にmineoフリータンクが枯渇? 公式ブログが波紋
mineoの新CM放映開始直後に訪れた目玉サービスの危機
関西電力系MVNOのmineoは、au・docomoいずれかの回線を利用できる格安SIMを提供していることに加えて、余ったパケット通信料をほかのユーザーに寄付できる「フリータンク」などの個性的なサービスに人気がありますね。
2017年1月19日には、新機種と新CMの全国放映開始が発表されました。2本の新CMのうちの1本では、mineoのフリータンクを大々的に宣伝しています(CMには「フリータンク」という言葉が出てこないため「パケットギフト」を指しているとも解釈できますが、「mineoは家族以外とのユーザーともパケットを分け合える」と明言しています)。
こちらがmineo公式YouTubeチャンネルにアップロードされた、フリータンクまたはパケットギフトについてのCMです。
mineoフリータンクは2017年1月26日に枯渇する!?
ところが、mineoの新CMでアピールし始めたばかりのフリータンクが、2017年1月26日に枯渇する可能性が出てきました。mineo運営事務局の公式スタッフブログをご覧下さい(1月24日付)。
フリータンクに対する運営事務局の方針と今後について | スタッフブログ | マイネ王
上記のブログから一部を引用します。
本日、フリータンクの残容量が3TBを下回りました。掲示板でも話題になっているように、現状のままOUTが続くと1月26日ごろにフリータンクが底をついてしまう見込みです。
なお、一般ユーザーがトピックを立ち上げた「話題になっている」掲示板はこちらです。
フリータンクの危機!? | pontagonさんの掲示板 | マイネ王
先ほどのmineoスタッフブログに記載された要点を列挙します。
- フリータンクはmineoユーザーの助け合い促進のために2015年12月17日に開始した
- しかし、mineo公式が「フリータンクは毎月無料で1GBもらえるツール」とプロモーションしてしまった
- そのため、フリータンクからパケットを引き出すだけで寄付しないmineoユーザーが増えてしまった
- 以前ならmineoフリータンクは月初に約20TBの残量があった。しかし、2017年1月初旬にmineoフリータンク残量は約10TBに半減した
- 現在と同じペースでmineoユーザーがパケットを引き出し続けると、2017年1月26日頃にフリータンクが枯渇する
- フリータンクが枯渇しても、mineo公式はパケットを補給しない
枯渇を防ぐためルール変更?
さらに、mineo公式ブログでは「フリータンクの枯渇が続けば、ルール変更もあり得る」という趣旨のことが述べられています。
本当は「ルールで縛る」ことはあまりしたくないので、できる限りいまのルールで継続できれば…と考えていたのですが、このままではせっかくのフリータンクの仕組みを継続することが難しそうな状況が見えてきましたので、皆さんが気持ちよく助け合えるようなルールに改修できればと考えています。
フリータンクは本当に枯渇する?
実は、私・ふみびとは「mineoのフリータンクが枯渇するらしい」という情報を2017年1月中旬に得ており、フリータンクの残量に注目していました。こちらが2017年1月21日0時27分のフリータンク容量です。なお、フリータンクからパケットを引き出せる(OUTできる)のは毎月21日から末日までですから、この画像はOUT開始から約30分経過した時のものです。
この時点(1月21日)ではmineoフリータンクに約16,000,000 MB(メガバイト)、つまり約16TB(テラバイト)のパケット容量がありました。ところが、1月24日には3TB未満になったと、先ほどのスタッフブログで言及された通りです。つまり約3日で13TB減少したことになります。本当に枯渇が近いですね。
ところで、1TBとはどれくらいの大きさでしょうか? 1TBは約1,000GB(ギガバイト)で、mineoのフリータンクでは毎月1契約ごとに最大で1GBのパケットを引き出せます。つまり、1TB=1,000GBがちょうど1,000人分に相当しますね。言い換えれば、1月21日から1月24日までの3日間に約1万3,000人がパケットを引き出したことになります(単純計算です。全員が1GB引き出すとは限りませんし、新たにINされた分もあるため、実際にOUTした人数は数倍に上ると思われます)。
そして1月24日時点のmineoフリータンク残容量が約3TBですから、あと3,000人がパケットをOUTすると枯渇します(同じく、IN容量を考慮しない単純計算です)。
では、2017年1月24日の午後11時14分現在、mineoフリータンクは本当に枯渇しそうなのでしょうか? アクセスすると、非常に深刻な状況であることがわかりました。
1月24日のフリータンク残量とアクセス規制
1月24日の午後11時頃、このページを執筆中にマイネ王にアクセスしたところフリータンクが利用制限されていたため、私は「枯渇を防ぐためのmineo公式の措置だ」と思い込み、「利用制限しなければ枯渇を防げないのですね」とこのページに書きました。
実際は予定通りのメンテナンスで、1月25日午前4時に終了しました。誤った情報を掲載してしまい申し訳ありません。
文字が小さくて申し訳ありませんが、左上にただいま、「フリータンク」「チップ」などのeoID連携を使った機能がご利用いただけません。
と書かれています。私は「mineo運営事務局による枯渇対策だ」と思い込みましたが、実際はメンテナンスでした。
それはともかく、2017年1月24日午後11時頃の残容量は2,547,650 MB、約2.5TBで、枯渇の一歩手前です。午後10時からメンテナンスが実施されていたため、それ以降は25日の午前4時まで容量の増減が起きていません。
1月26日を過ぎても枯渇せず。今後はどうなる?
この記事を最初に投稿したのは1月24日の午後11時過ぎです。それから3日が経過し、現在は1月27日の午後10時です。mineo運営事務局が「フリータンクが枯渇するおそれがある」とブログで発表した日付である1月26日を過ぎました。
ではフリータンクはどうなったかと言うと、1月26日には枯渇しませんでした。こちらの画像は1月27日午後10時のmineoフリータンクですが、1,482,250 MB残っています。
TBに直すと約1.48TBであり、あと1,482人が1GBずつ引き出せば枯渇します。逼迫した状況に変わりはありませんが、mineo運営事務局が「フリータンクが枯渇しそうです」とブログで訴えた効果があったのか、INするユーザーが増えています。
ひとまずフリータンクの枯渇は回避されましたが、今後はmineo公式ブログの通り、ルール変更・サービス終了もあり得ると考えておいたほうが良いでしょう。
「ユーザー同士の助け合いの輪を広めたい」というスタッフの理念は素晴らしいのですが、多くのmineoユーザーはフリータンクを「無料で1GBもらえるサービス」と捉えているでしょうから、枯渇は時間の問題だったと言えます。
ここまでmineoフリータンクの枯渇騒動を取り上げてきましたが、私もmineoユーザーですので他人事ではありません。
実は私も毎月フリータンクから1GB引き出すばかりでまったく入れることがなく、枯渇の一因となっていたのですが、mineo運営事務局の「助け合い」という理念に反する行為ですから、今までOUTしたパケット容量を返却し、今後はフリータンクの利用自体を控えるつもりです。