楽天銀行がJCBプリペイドカード発行開始。メリットは?
楽天カード・楽天銀行デビットカードとプリペイドカードの比較
2017年1月16日、楽天銀行が「楽天銀行プリペイドカード(JCB)」の発行を開始しました。クレジットカードやデビットカードと同じくJCBの加盟店で決済を行うことができますが、電子マネーと同じように、あらかじめカードにチャージした分だけ使うことができるという特徴があります。
楽天銀行プリペイドカード(JCB)発行開始のお知らせ | 2017年 | プレスリリース | 楽天銀行
楽天グループではクレジットカードの「楽天カード」と「楽天銀行デビットカード(Visa, JCB)」も発行していますから、違いがわかりにくいですね。3種類の特徴を表にまとめました。
カード名 | 楽天カード(クレジットカード) Visa, MasterCard, JCB | 楽天銀行デビットカード(JCB) | 楽天銀行プリペイドカード(JCB) |
---|---|---|---|
年会費 | 無料 | 無料 | 無料 |
ポイント還元率 | 1% | 1% | 0% |
申込可能年齢 | 18歳以上 (高校卒業可能日以降) | 16歳以上 | 16歳以上 |
有効期限 | 5年 | 5年 | 5年 |
支払い方法 | 翌月1回、リボ払いなど | 即時決済 (楽天銀行口座残高内) | 即時決済 (チャージ残高内) |
まず、年会費は全て無料です(表には記載していませんが、「楽天銀行Visaデビットカード」や「楽天プレミアムカード」などは有料です)。申し込み可能な年齢は、楽天カードのみ高校卒業できる日を過ぎた18歳以上の方で、JCBデビットカードとJCBプリペイドカードは楽天銀行口座をお持ちの16歳以上の方となっています。
ここで注目すべきはポイント還元率です。楽天カード・楽天銀行デビットカード(JCB)は100円決済するごとに1ポイント(1円分)獲得できますから、還元率1%です。ところが、楽天銀行プリペイドカードはいくら支払ってもポイントをもらえません。ポイント還元率だけを見れば「楽天銀行プリペイドカード(JCB)」にメリットはありません。
ただし、楽天銀行プリペイドカード(JCB)ではチャージした時に「プレミアムバリュー」と呼ばれる追加残高をもらえます。たとえば、10,000円をチャージすれば残高は10,000円になるはずですが、70円の「プレミアムバリュー」が追加されるので合計10,070円になります。
この「プレミアムバリュー」をいくらもらえるかは、チャージ金額によって異なります。再び、表にまとめます。
チャージ額 | プレミアムバリュー | 還元率 |
---|---|---|
1,000〜4,999円 | 0円 | 0% |
5,000〜9,999円 | 25円 | 0.5〜0.25% |
10,000〜29,999円 | 70円 | 0.7〜0.23% |
30,000〜49,999円 | 240円 | 0.8〜0.48% |
50,000〜300,000円 | 500円 | 1〜0.17% |
一度にチャージできる金額は1,000円以上1円単位で、最高300,000円です。
還元率が1%以上になるのは50,000円ちょうどチャージした場合のみです。2017年1月16日から2月15日までは「プレミアムバリュー20%増量キャンペーン」が実施されていますが、これは「プレミアムバリューの額が本来より20%増量される」、つまり「50,000円チャージすればプレミアムバリュー500円とその20%分の100円、合計600円もらえる」だけで、還元率が20%になるわけではありません。
ではクレジットカードを持てない18歳未満の人にメリットがあるかと言うと、楽天銀行デビットカード(JCB)も16歳以上で申し込めますし、コンビニでもVisa・JCBブランドのプリペイドカードを購入できますから、年齢面でも楽天銀行プリペイドカード(JCB)にメリットはありません。
今後お得なキャンペーンが実施されれば別ですが、はっきり言って、消費者に何らかのメリットがあるとは思えません。
無理やり楽天銀行プリペイドカード(JCB)のメリットを挙げるとすれば、次のような事柄でしょうか。
- クレジットカード・デビットカードの番号を知られたくない店で不正利用対策に使う
- デビットカードで決済すると通帳・入出金明細に記載されて読みにくくなるから、チャージ残高が預金とは別になる楽天銀行プリペイドカード(JCB)を使う
「13ヶ月間未使用」でチャージした残高が失効?
この「楽天銀行プリペイドカード(JCB)」で最も残念なのは、なんと「13ヶ月使わなければ残高がゼロになる」と規約に記載されている点です。
第11条(未使用残高の有効期限、払戻し)
- 未使用残高の有効期限は、最後に使用可能残高が変動した日から13か月とし、当該期間を経過した未使用残高は失効するものとします。未使用残高の失効により会員に生じた不利益および損害について、当行は一切の責任を負わないものとします。
- 会員は、法令に基づき払戻手続が行われる場合を除いて払戻しを受けることはできません。
- 前項に規定する場合において、法令に基づき払戻しを行うべき事由が生じてから2年経過した場合には、会員は、当該払戻請求権を放棄したものとみなされることを異議なく承諾するものとします。
日常的に「楽天銀行プリペイドカード(JCB)」を使うことがないのであれば、チャージ残高を使い切れるように計画的に買い物しなければなりませんね。
楽天銀行プリペイドカード(JCB)の申し込み・利用方法
ここまで「楽天銀行プリペイドカード(JCB)にメリットはない」などと失礼なことを書いてきましたが、実際に私も申し込んで利用してみました。
楽天銀行にログインし、画面上部の「カード・ATM」をクリックします(パソコンの場合)。
画面の中ほどに「楽天銀行プリペイドカード(JCB)」がありますので、「お申込」ボタンをクリックし、必要事項を記入して下さい。記入が必要なのは以下の4点です。
- ローマ字の氏名
- 数字4桁の暗証番号
- 半角英数8〜20文字のJ/Secureパスワード
- 連絡先電話番号
なお、住所・氏名は楽天銀行に届け出たものが既に入力されており、変更できません。変更が必要な場合は事前に楽天銀行のマイページで変更しておいてください。
入力し終えたら、「規定に同意し申し込む」ボタンをクリックし、楽天銀行プリペイドカード(JCB)が届くまで数日間待ちましょう。
申し込みが完了したのは2017年1月19日午後2時11分で、一週間後の1月26日午後2時に簡易書留で楽天銀行プリペイドカード(JCB)が届きました。
カード裏側の磁気ストライプは楽天銀行デビットカード(JCB)と同じ銀色の「ホロマグ」(ホログラム・マグネット)であり、地球のマークが浮き出ています。
暗証番号・パスワードなどは既に設定済みですから、改めて利用開始手続きを行う必要はありません。ただし、利用前に楽天銀行口座からチャージを行わなければ利用できません。
スマートフォン用の楽天銀行アプリからでもチャージを行うことができます。
チャージ方法
楽天銀行アプリを起動し、パスワードを入力してログインしたら、「カード利用状況・お申込」をタップします。
次の「ご利用中のカード」画面に「楽天銀行プリペイドカード(JCB)」の欄がありますので、「カード情報」を選択してください。
その次の画面には楽天銀行プリペイド番号のカード番号・バリュー残高(チャージ額)などが記載されていますので、「プリペイドカードトップへ」というボタンを押します。
金額を選択するか、枠内に直接数字を入力してチャージ額を決めます。チャージできる金額は1,000円以上300,000円未満で1円単位です。
金額入力後に「確認する」ボタンを押し、次の画面で暗証番号を入力してから「チャージする」をタップすると、無事にチャージが完了します。
楽天銀行プリペイドカード(JCB)を使ってみよう
楽天銀行プリペイドカード(JCB)は、店舗・インターネットサイトで通常のJCBクレジットカードと同じように使うことができます。ただし利用を制限している一部JCB加盟店でご利用できない場合があります
と公式サイトに記載されていますから、おそらく月額料金の支払いは行えません。
近所のスーパー・イオンで使ってみたところ、当たり前ですが決済できました。クレジットカードと同じく、店舗によってはサインまたは暗証番号を求められることもあります。
利用と同時に、楽天銀行から「プリペイドカード引落」というメールが届きました。不正利用対策は万全ですね。
現時点では実力が未知数の楽天銀行プリペイドカード(JCB)ですが、今後に期待したいと思います!