Huawei P10 liteのau VoLTE対応が7月28日以降に延期
Huaweiによるアップデート中止と新ファームウェア公開
ここ数年、SIMフリー(SIMロックフリー)スマートフォンが多く発売されるようになりましたが、日本ではdocomo回線を使うMVNOの格安SIMとワイモバイルにしか対応していないものがほとんどです。
そんな中、2017年6月9日に中国・Huawei(ファーウェイ、華為)が発売したAndroidスマートフォン・P10 liteは、au VoLTEに対応予定であり、mineo auプランなどau回線の格安SIMでも通話できることが特徴の一つとなっています。
ただし、UQ mobile『以外』が販売したHuawei P10 liteは当初からau VoLTEに対応しているわけではなく、購入後に配布されるファームウェア(制御用プログラム)を更新することで通話可能となります。
Huawei日本法人は、一旦は2017年7月11日にau VoLTE対応アップデートを発表し(アップデート開始自体は1日前の7月10日から)、約2週間で全てのお客さまがアップデート可能となる予定です
と説明していました。
HUAWEI SIMロックフリースマートフォン『HUAWEI P10 lite』 ソフトウェアアップデート開始のお知らせ | 最新ニュース | ファーウェイ・グローバル
しかし、価格.comの掲示板やTwitter、2ちゃんねるなど(以下「SNS等」)では、7月20日頃から「約2週間経つのにファームウェアがアップデートされず、P10 liteでau VoLTEによる通話ができない」という投稿が目立つようになりました。
au VoLTE対応アップデートを行えたユーザーもいるものの、ごく少数です。推測ですが、日本のP10 liteユーザー全体の10分の1くらいではないでしょうか?
一部では「何らかの理由で、発表されたau VoLTE対応アップデート自体が行われていないのではないか?」という疑問の声も上がりました。
そして7月28日、Huaweiは7月10日に開始したau VoLTEアップデートを中止し、7月28日から約1ヶ月かけて改めてau VoLTE対応アップデートを行うことを発表したのです。
HUAWEI SIMロックフリースマートフォン『HUAWEI P10 lite』ソフトウェアアップデート開始のお知らせ|華為技術日本株式会社のプレスリリース
SNS等では、7月28日の夜から既に「ようやくP10 liteのファームウェアをアップデートできた。これでようやくau VoLTEによる通話ができる」という投稿が見られます。今度は本当にアップデートが行われているようです。
しかし、「7月28日から約1ヶ月」ですから、ユーザーによっては9月上旬までP10 liteによるau VoLTE通話ができない可能性もありますね……。気長に待ちましょう。
原因はUQ版P10 liteのau VoLTEで発生した不具合?
無事にP10 liteのau VoLTE対応アップデートが開始されて良かったですが、気になるのは「なぜアップデートが一旦中止されたのか」ということですね。
正確な理由は公表されていませんが、どうやらUQ mobile版のP10 liteでau VoLTEによる通話が途切れる不具合が発生していたことが原因のようです。
ご存じの方も多いと思いますが、日本で販売されるP10 liteには、家電量販店やUQ以外のMVNOが販売する「SIMフリー版」と、UQ mobile専売の「UQモバイル版」の2種類があります。型番は同一の「WAS-LX2J」ですが、適用されるファームウェアは異なります。
HUAWEI P10 lite Smartphone | Mobile Phones | HUAWEI Global
そして、「SIMフリー版」が発売後のアップデートによってau VoLTEに対応するのに対して、「UQモバイル版」は発売当初からau VoLTEに対応しています。UQ mobileの格安SIMはdocomo回線に対応していないからですね。
ところが、「UQモバイル版のP10 liteでau VoLTEによる通話を行うと、突然途切れることがある」という報告がSNS等に寄せられました。以下は価格.comの掲示板です。
価格.com - 『通話が途切れます』 Huawei HUAWEI P10 lite SIMフリー のクチコミ掲示板
Huawei側もこの不具合を認識していたらしく、UQ版P10 liteのau VoLTEが途切れる問題を解消するためのアップデートを開始しました。7月25日のことです。
HUAWEI SIMロックフリースマートフォン『HUAWEI P10 lite (UQモデル)』 ソフトウェアアップデート開始のお知らせ | 最新ニュース | ファーウェイ・グローバル
先ほどの価格.com掲示板にも「アップデート後はau VoLTEによる通話が途切れなくなった」という投稿が多く寄せられていますから、UQモバイル版P10 liteの問題は解決したようですね。
時系列順にまとめると、以下のようになります。
- 6月9日…Huaweiが日本で「SIMフリー版」のP10 liteを発売
- 6月16日…UQ mobileが専用のP10 liteを発売。当初からau VoLTE対応
- 7月10日…SIMフリー版P10 liteでau VoLTE対応アップデート開始(発表は翌7月11日)
- 7月25日…UQモバイル版P10 liteでau VoLTEの不具合を解消するアップデート開始
- 7月28日…7月10日に開始されたSIMフリー版P10 liteのアップデート中止。同日から新たなau VoLTE対応アップデート開始
- 8月3日(予定)…mineoがdocomo・au両回線対応のSIMフリー版P10 lite発売
7月10日に一旦はSIMフリー版P10 liteをau VoLTEに対応させるアップデートが開始されたことを考えると、UQ版の不具合はそれ以降に確認されたのでしょう。
繰り返しになりますが、SIMフリー版P10 liteは7月28日から約1ヶ月かけてau VoLTEに対応します。ユーザーにより時期は異なりますので、もうしばらくお待ちください。
mineo auプランで今すぐ通話したい場合はどうする?
今度こそ確実にP10 liteのau VoLTE対応アップデートが行われるようですが、中には「もうauプランの通話用SIMに切り替えてしまった!」という方もいらっしゃるかもしれませんね。
別に通話用の携帯電話を持っておらず、今すぐに通話したいならば、「050番号のIP電話を利用する」という方法があります。
たとえau VoLTE対応前でも、P10 liteでauプランによるデータ通信を行うことはできます。
050番号のIP電話ならば、データ通信さえ行えていればつながりますから、mineoなどのauプランに切り替えてもP10 liteで通話できるのです。
実際に私もmineo auプランの通話SIM(デュアルタイプ)でP10 liteを使っていますが、データ通信だけは行えていますし、050番号で通話できています。
発信ではなく着信したい場合も、本来の携帯電話番号から050番号に通話を転送することで実現できます。固定電話から転送設定することも可能です。
mineoなどのauプランの通話を転送する方法は、以下のページに記載されています。IIJmioなども同一の手順で操作できます(UQ mobileは多少異なるようです)。
着信転送サービス(標準サービス)|auプラン(Aプラン)音声通話関連サービス|ご利用時の各種設定|初期設定と各種設定|mineoユーザーサポート
また、050番号を取得するならば、基本料金無料のBrastel 050 Freeがおすすめです。以下のページで利用方法を解説しています。
8月2日にようやくアップデート実施
事実上延期されていたHuawei P10 liteのau VoLTE対応アップデートですが、私が持っている端末にもようやく実施されました。
実は「どうせ9月まで待たされるのだろう」と思っていたのですが、8月2日の午前10時30分頃に「設定」アプリの「システム更新」を確認したところ、au VoLTE対応アップデートが通知されたのです。
ただ、P10 liteのau VoLTE対応アップデートは飽くまでも「7月28日から約1ヶ月」かけて行われると通知されていますから、本当に9月頃になってしまう人もいるかもしれません。
なぜユーザーによってアップデート時期が異なるのかは、残念ながら公表されていません。
すぐにアップデートを実行せず、「アップデートはバッテリーを消費するだろう」と考えて充電していたのですが、自宅のWi-Fiに接続していたため、充電中に自動的にファイルがダウンロードされていました。
その後、アップデート自体はおよそ11分で行うことができました。
このように、Huawei独自UIの「EMUI」という文字が入ったスタイリッシュな更新画面です。
私はまだau VoLTE対応SIMを持っていないのですが、早速mineoで交換手続きをしてP10 liteで通話できるようにします!