このページは2018年11月29日に掲載したものです。文中のハードウェアとアプリケーションの情報は当時のものであり、現在は異なります。
Fire HD 8 (2018)のポップな外観
2018年10月4日、ネット通販大手のAmazonがタブレット端末「Fire HD 8 (第8世代)」を日本で発売しました。2017年6月7日に発売されたFire HD 8 (第7世代、2017年モデル)の後継機ですが、「マイナーチェンジ」に留まっています。
まずは外観を見ていきましょう。

こちらは、Fire HD 8(2018)のパッケージです。オレンジを基調とした、Fire HDシリーズではおなじみのデザインですね。

付属品は、ACアダプタとUSBケーブル、そして説明書です。これもFire HDシリーズでおなじみです。

Fire HD 8(2018)本体の裏側は、相変わらずガラスでも金属でもなくプラスチックです。はっきり言ってチープですし、こちらの写真のように、すぐにホコリが付いて目立ってしまいます。
カラバリは4色……ではない
このFire HD 8(2018)、国によっては4色のバリエーションが存在します。
たとえば、アメリカではカラーバリエーション(カラバリ)は黒、黄、青、赤の4色です。ただし、日本版は黒のみでカラバリはありません!!
もっとも、カバーを付ければ良いだけですから、カラバリの少なさは大した問題ではありませんね。
Fire HD 8(2018)のスペック
続いて、Fire HD 8(2018)のスペックを見ていきましょう。Fire HD 8(2017)およびFire HD 10(2017)との比較も行います。
機種名 | Fire HD 8(2018) | Fire HD 8(2017) | Fire HD 10(2017) |
---|---|---|---|
価格 | 8,980円(16GB) 10,980円(32GB) | 10,980円(16GB) 13,980円(32GB) | 15,980円(32GB) 19,980円(64GB) |
解像度 | 1280 x 800 (189 ppi) | 1920 x 1200 (224 ppi) | |
SoC (CPU) | MediaTek MT8163V/B (1.3 GHz) | MediaTek MT8163 (1.3 GHz) | MediaTek MT8173 (1.8 GHz x 2, 1.4 GHz x 2) |
microSD | 最大400GB | 最大256GB | |
RAM | 1.5GB | 2GB | |
オーディオ | Dolby Atmos、デュアルステレオスピーカー、マイク | ||
カメラ(画面側、外側) | 200万画素、200万画素 | 30万画素、200万画素 | |
Wi-Fi | 802.11 a/b/g/n (2.4 GHz, 5 GHz) | 802.11 a/b/g/n/ac (2.4 GHz, 5 GHz) | |
Bluetooth | 4.1 LE | ||
バッテリー持続時間 | 10時間 | 12時間 | 10時間 |
バッテリー容量 | 不明 | 4,750 mAh | 6,300 mAh |
初期OS | Fire OS 6.0.0 (Android 7.1) | Fire OS 5.6.0 (Android 5.1) | |
サイズ | 214 x 128 x 9.7 (mm) | 262 x 159 x 9.8 (mm) | |
重量 | 369g | 500g |
上の表をご覧頂けばわかりますが、Fire HD 8 (2018)はFire HD 8 (2017)とほぼ同じスペックです。スペックアップした点は「microSDが400GBまで対応」「初期OSのバージョンが上」「インカメラの画素数が上がった」……くらいです。
Fire OSのバージョンが上がったからと言って特にメリットはありませんので、既にFire HD 8(2017)をお持ちの方は、Fire HD 8(2018)に買い換える必要はないと言えますね。
なお、サイズと重量がまったく同じですが、ボタンやイヤホンジャックなどの位置は少し変わっているので、非純正ケースを購入する際は注意が必要です。
また、Fire HD 8(2018)とFire HD 10(2017)を比べると、もちろん画面サイズは後者のほうが大きく、SoC(CPU)のスペックもやや上です。
後述するように、私はFire HDタブレット自体をお勧めできないのですが、「画面サイズが小さめのFire HDタブレットがほしい」という方以外は、Fire HD 10(2017)をお求めになったほうが良いかもしれません。
画面カクカク、動作も重い……。
では、「MediaTek MT8163V/B (1.3 GHz)、1.5 GHz RAM」というスペックのFire HD 8(2018)、スムーズに動作するのでしょうか?
はっきり言ってしまいますが、画面サイズが8インチもあるのにHD画質なので画面が粗く、動作も非常に重いです。
Amazon Primeビデオ、NetFlix、Huluなどは、もちろん問題なく再生できます。……が、画質が悪いので、あまり見る気になりません。
あと、YouTubeは純正アプリが使えないので、非公式アプリまたはSilkブラウザを使うしかありません……。
また、Fire HDタブレットは、「Fire OS」というAndroidをカスタマイズした独自OSを採用していますね。そのためGoogle Playを使えず(特殊な方法を使えばGoogle Playにアクセス可能ですが、おすすめしません)、対応アプリが通常のAndroidタブレットより少なくなっています。
ゲームも、対応アプリ自体が少ないです。「デレステ」などの人気作は対応していません。
……が、仮に対応していてもスペックが低すぎて3Dゲームや音ゲーはまともにプレイできないでしょう。
日本で人気のゲームのうち、Fire HD 8(2018)に対応している主なものを挙げると、「白猫プロジェクト」「モンスターストライク」「星のドラゴンクエスト」などです。
カードゲーム「Hearthstone」をプレイしてみましたが、画面が全体的にカクカクしていて、別の画面に移動するだけで10秒以上かかるのでストレスを感じます……。
音質は「普通」
簡単に触れておきますが、Fire HD 8(2018)の音質は普通です。
ステレオスピーカーでDolby Atmosにも対応していますから、iPhoneなど一般的なスマートフォンと同等かそれ以上と言えます。
ただ、(タブレットとして)素晴らしい音か? と言うと、それほどではありません。飽くまでも「普通」です。
タブレットですから、Spotifyの無料プランでシャッフルプレイではなく好きな曲を指定して再生することもできます。
独特なUIだが、Amazonヘビーユーザーにはメリットがある
Fire HD 8(2018)はFire OSのタブレットですから、ユーザーインターフェイス(UI)も一般的なAndroidタブレットとは異なります。

このように、Kindleの電子書籍やAmazon Primeビデオに簡単にアクセスできる構造となっています。ですから、Amazonのヘビーユーザーにはメリットが多いのですが……。
私はほとんどAmazonのサービスを使わないので、はっきり言って、こういう機能は邪魔です。
「じゃあなんで買ったんだ」と言われてしまいそうですが……安かったからです。
なお、以前のバージョン(Fire OS 5.6.0)ではホーム画面に電子書籍の表紙が表示されましたが、Fire HD 8(2018)では表示されなくなりました。
「日本版では」AlexaハンズフリーもShow Modeも使えない!
一部のIT系ニュースサイトの記事で、「Fire HD 8(2018)はAlexaハンズフリーとShow Modeに対応している」と紹介されていますね。しかし、日本版のFire HD 8(2018)は、AlexaハンズフリーにもShow Modeにも対応していません!!
Alexaハンズフリーとは、ユーザーが「Hey Alexa, 音楽かけて」などと言うだけで、人工知能が音声を認識して操作を行ってくれる機能です。
日本版のFire HD 8(2018)は、Alexa自体には対応しているのですが、Amazon Echo Dotなど別売のデバイスが必要です。
Show Modeとは、Alexaを利用してニュースや写真アルバムなどを表示できる機能なのですが……こちらも日本版は非対応です。
繰り返しますが、Fire HDタブレットの目玉機能が、日本版からは削られている状況です。これならば、「どうしても安いタブレットが欲しい」という人以外は、普通のAndroidタブレットを買ったほうが良いと思います。
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