このページは2018年7月26日に掲載したものです。現在販売されているAmazon Fireタブレットとは仕様が異なります。「アプリが使えない」などの文言は2018年時点のものであり、現在は異なる場合があります。
Amazon Fire HD 10 (2017) スペック基本情報
「Fire HD 10」はAmazonが日本では2017年10月11日に発売した10インチタブレットです。
まずはAmazon Fire HD 10 (2017)のスペックを記載します。なお、比較のためにHUAWEI MediaPad M5とApple iPad (2018)のスペックも併記します。
– | Fire HD 10 (2017) | MediaPad M5 | iPad (2018) |
---|---|---|---|
発売日 | 2017年10月11日 | 2018年5月18日 | 2018年3月30日 |
実売価格 (2018年7月26日 価格.com) | 15,980円 (64GB) | 34,215円 (Wi-Fi) | 36,105円 (32GB, Wi-Fi) |
画面サイズ | 10.1インチ | 8.4インチ | 9.7インチ |
画面解像度 | 1920 x 1200 | 2560 x 1600 | 2048 x 1536 |
大きさ | 262 x 9.8 x 159 mm | 124.8 x 7.3 x 212.6 mm | 169.5 x 7.5 x 240 mm |
重量 | 500g | 320g | 469g |
液晶パネル種類 | IPS | ||
初期OS | Fire OS 5.3.3 (Android 5.1.1がベース) | Android 8.0 | iOS 11 |
SoC (CPU) | MediaTek MT8173 1.8GHz+1.4GHz | Kirin 960 2.4GHz+1.8GHz | Apple A10 (2.33 GHz?) |
RAM | 2GB | 4GB | 2GB? |
ROM | 32GB, 64GB | 32GB | 32GB, 128GB |
外部ストレージ | microSD, microSDHC, microSDXC (最大256 GB) | 非対応 | |
ネットワーク接続 | Wi-Fiのみ | Wi-Fi + LTE, 3G またはWi-Fiのみ | |
無線LAN(Wi-Fi)規格 | IEEE802.11a/b/g/n/ac | ||
Bluetooth | Bluetooth 4.2 | ||
充電端子 | microUSB | USB Type-C | Lightning |
バッテリー容量 | 6300 mAh? | 5100 mAh | 8827 mAh? |
連続使用時間 | 約10時間 | 約11時間 | 約10時間 |
生体認証 | なし | 指紋認証 | |
センサー | 加速度, 光 | 加速度, ジャイロ, 光, コンパス | |
背面カメラ | 200万画素 | 1300万画素 | 800万画素 |
前面カメラ | 30万画素 | 800万画素 | 120万画素 |
Amazon Fire HD 10を開封
Amazon Fire HD 10を開封した際の写真です。

こちらはAmazon Fire HD 10の箱、というより袋ですね。スーパーでフックにぶら下げられて売られているお菓子みたいです。
実際に、アメリカではAmazon Fire HD 10がスーパーで売られているそうですよ!

箱(袋)を横から見るとこうなります。薄くてチープです。

Amazon Fire HD 10本体のほか、充電器と説明書も含まれています。
なお、このページのAmazon Fire HD 10にはケースとガラスフィルムを装着していますが、これらは私が別途購入したものです。

Amazon Fire HD 10の裏側です。こちらもプラスチックで非常にチープですね。

電源を入れると、言語、Wi-Fi、Amazonアカウントなどの設定画面になります。
Amazon Fire HD 10は「安くて低機能」
Amazon Fire HD 10の特徴を一言で表現すると、「安くて低機能」ですね。
まず、実売価格は15,980円であり、3万円代半ばのiPad(2018)とMediaPad M5に圧勝しています! Amazon Primeセールなどの時はさらに安く買えます。
ただ、安い分だけ機能が制限されているんですね。
たとえば、画面が10.1インチと大きいにもかかわらず、解像度は1920 x 1200ピクセルしかありません。
Wi-Fi専用モデルしかありませんから、「格安SIMを使って外で通信する」ということはできません。
iOS・Androidともに当たり前になった指紋認証にも対応していません。
さらに、カメラはたった200万画素です。まあ、このタブレットで写真撮影する人は少ないと思いますが……。
そして何より、SoC(CPU)は2015年リリースのMediaTek MT8173、OSも2014年11月リリースのAndroid 5.1がベースです。
後述するように、動画視聴・音楽再生くらいなら問題ないが、オフィスアプリやゲームは厳しいと言うことができます。
そして、私はAmazon Fire HD 10を約半年間使用しましたが、3つのデメリットを感じました。まずはメリットを述べてから、不満な点を順番に説明していきます。
Amazon Fire HD 10のメリット
不満はありますが、メリットがないわけじゃありません。
メリット1…価格が安い
MediaPad M5とiPad (2018)の比較の箇所で述べたように、Amazon Fire HD 10は非常に安いです。
Amazonでは通常、15,980円(税込、送料込)で売られていますし、2018年7月16日・17日のプライムデーには10,480円まで値下がりしました。
そのほかのAmazonセール時にも12,000円〜14,000円くらいで買えることが多いですから、「とにかく安いタブレットが欲しい」人にはおすすめです。
メリット2…Amazonサービスとの連携がスムーズ
Fire HD 10はAmazonヘビーユーザーのためのタブレットと言うことができます。

この画面のように、Kindleで購入した電子書籍をすぐに読むことができますし、Amazon PrimeビデオとAmazon Musicの視聴、Amazonでの注文などをすぐに行なえます。
私はAmazonをあまり使いませんが、Amazon Prime会員ならば大きなメリットがあるかもしれませんね。
メリット3…5GHzのWi-Fiに対応
Amazon Fire HD 10の無線LAN(Wi-Fi)はIEEE802.11a/b/g/n/acに対応しています。つまり5GHz帯対応です。
5GHz帯に対応していれば、高速通信を行うことができますし、Bluetoothデバイスと混信して不具合が発生することもありません。Bluetoothイヤホンで音楽・動画視聴を行う人にはメリットと言えます。
デメリット1…徹底的なGoogle排除
Amazon Fire HD 10 (2017)はAndroidをベースにしたFire OSを採用しています。
そして、Fire OSはAndroidがベースであるにもかかわらず、Amazon Fire HD 10ではAndroidアプリを使えないのです。
Amazon Fire HD 10は、こちらの写真のように、見た目こそAndroidタブレットによく似ています。

ただ、Google Playからアプリをダウンロードできず、専用アプリストアを使わなければならないことがデメリットです。
Google Playが使えなくても大したことなさそうですが、Android用に購入した有料アプリを使えないので、買い直さなければなりません。
なお、「Androidスマートフォンで有料アプリを購入した」場合は、同じGoogleアカウントでログインした別のAndroidスマートフォンやAndroidタブレットで有料アプリを追加料金なしで使えます。
YouTubeもGoogle Driveも使えない
さらに、Amazon Fire HD 10ではYouTubeアプリを使えません。2017年末頃までは使えていたようですが、2018年になってから使えなくなりました。
そのほか、Google DriveやGoogle Home、GmailなどのGoogleアプリは一切使えません。
YouTubeやGmailなどは「Silkブラウザ」というAmazon Fireシリーズ用のブラウザで閲覧できますが、やはり専用アプリがないと不便です。
非公式のYouTubeアプリはダウンロードできますが……怪しいので私は使う気になれません。
もちろん、ギャラリーから画像を選択してGoogle Driveにアップロードしたり、Googleアカウントで共有したスプレッドシートを開くこともできません。
無料で使える「Amazon Drive」というものはありますが……やっぱりGoogle DriveかiCloudのほうが便利です。
Chromecastを使ってテレビで動画を観ることも、アプリでAnalyticsを確認することもできません。
……とにかく、徹底的にGoogleサービスが排除されているのです。
標準検索エンジンはBing
先ほど触れた「Silkブラウザ」は、標準の検索エンジンがBingになっています。
Windowsをお使いの方ならご存じだと思いますが、Bingはマイクロソフトが運営する検索エンジンですね。もちろん何を調べるかにもよりますが、基本的にはBingよりGoogleのほうが検索精度が高くて便利です。
すぐに「Silkブラウザ」の設定で検索エンジンを変更できるのでそこまで実害はありませんが、ユーザーのことを考えていないという気がしてなりません。
どうやらAmazonとGoogleが対立していることが原因のようですが、顧客第一主義を徹底して欲しいものです。
デメリット2…対応アプリが少ない
既に述べたように、Amazon Fire HD 10は専用アプリストアからアプリをダウンロードしなければなりません。そのため、iPadやAndroidタブレットよりも対応アプリが少ないです。
先ほど挙げたように、YouTubeを含むGoogle関連アプリは全滅ですし、Microsoft Officeもありません。
ゲームは、「デレステ」(アイドルマスター シンデレラガールズ スターライトステージ)や「ポケモンGO」など、人気タイトルはほとんど対応していません。
なんと、AbemaTVも非対応です。ただ、HuluやNetflix、DAZN、Spotifyには対応しているのが救いでしょうか。
購入前に対応アプリを調べる方法
できればAmazon Fire HD 10の対応アプリ・非対応アプリの一覧を掲載したいのですが、あまりにも量が多すぎて不可能です。そこで、Amazon Fire HD 10の購入前に対応アプリを調べる方法をご紹介します。
まず、パソコン版のAmazon.co.jpにアクセスし、カテゴリーから「Fireタブレット」「アプリ・ゲーム」を選択します。

次に、検索欄に目当てのアプリの名称を入力してください。
そして、画面の左側にあるメニューから「絞り込み」という欄を探し、「Fire HD 10 (第7世代)」にチェックを入れます。

すると、お探しのアプリがFire HD 10に対応しているかどうかがわかります(非対応ならそのアプリは表示されません)。
また、キーワードを入力せずにカテゴリー別で対応アプリを調べることも可能です。
デメリット3…画面が暗い
動画視聴用のタブレットとしては致命的なことに、Amazon Fire HD 10は画面が暗いのも特徴です。映画やドラマだと、暗い場面では何が起きているかわかりません。
もちろん、顔を画面に近付ければ暗くてもある程度は見えますが、映画を見ている時にいちいち顔を動かしたくないですよね。
明るさの調整も可能
もちろん、設定で画面の明るさを変更することも可能です。
「設定」画面を開き、「ディスプレイ」という項目を選択すると、「画面の明るさ」を調整するスライダーが表示されます。
また、初期設定では「明るさを自動調整」にチェックが入っていますので、このチェックを外せば画面の明るさが周辺環境に応じて変わることはなくなります。
ただ、すると今度は画面が明るくなりすぎるので、もどかしい思いをします。
結論。Amazon Fire HD 10を買って良いのはこんな人
ここまで見てきたAmazon Fire HD 10の特徴は、以下のようになります。
- Amazonサービスにはフル対応
- 対応アプリは少なく、Googleサービスにはほとんど非対応
- ゲームにも向かない
よって、Amazon Fire HD 10を買っても良い人はこのようになります。 - Amazonサービスをよく使う人(特にプライム会員)
- Hulu、Netflix、DAZNなど対応アプリがある動画サービスを視聴する人
一方、次のような人にはAmazon Fire HD 10は向きません。
- Amazonサービスを使わない人
- YouTube、AbemaTVなどの動画を視聴する人
- Googleサービスをよく使う人
- ゲームをプレイする人
- 文書作成や表計算ソフト(オフィスソフト)を利用したい人
Amazon Fire HD 10は価格が安いことが最大の魅力ですが、Amazonヘビーユーザー以外にはあまりおすすめできません。
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