ThinkPad X40のHDDをmSATA SSDに換装した記録
コンパクトで使いやすかったThinkPad X40
私は、アメリカ・IBMのThinkPad X40というノートPCを使用しています。IBMのコンシューマーPC部門が中国・Lenovoに売却される前の2004年に発売されたものですから、もう12年も経ったことになります。
もっとも、私は12年間使い続けているわけではなく、2010年9月に楽天市場で中古を購入しました。
このThinkPad X40、画面が12インチ・B5サイズであるため、コンパクトでありながらキーボードを打ちやすいという、携帯性と操作性に優れた機種でした。ただ、HDDの動作が非常に遅く、特殊な形状であるため新型HDDに交換するのも難しいという問題がありました。
この問題が完全に解決されたのは、なんと発売から9年後の2013年のことです。詳細は省きますが、ThinkPad X40への取り付けが可能なmSATA SSDが販売されるようになったのです。日本語のブログでも、mSATA SSDへの換装事例が多く取り上げられるようになりました。
私がThinkPad X40のHDDをmSATA SSDに交換したのは、2014年11月のことです。
2016年1月の今となっては、mSATA SSDを搭載したThinkPad X40でさえ動作が遅いと感じるようになり、近々新しい(中古の)PCを購入する予定です。ですが、交換作業はなかなか面白かったですし、今後同様の作業を行う際の参考になるかもしれませんから、ブログの記事として残しておきます。
なお、ThinkPad X40のHDDをmSATA SSDに交換する作業を行うにあたっては、以下のブログを参考にしました。
作業前に準備するもの
まず、mSATA SSDと、mSATAを1.8インチIDEに変換するアダプターを用意します。
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購入したmSATA SSDをアダプターに差し込んで、ねじで固定します。
ThinkPad X40を分解して、パーツを交換する……と言いたいところですが、ここで問題が発生しました。本体裏面のネジが固すぎて、どうやっても外れないのです。
さまざまな方法を試した後、このようなドライバーを使用することで、拍子抜けするほどあっさりとネジを外すことができました。
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HDDの換装手順
気を取り直して、換装作業を行います。
感電防止のため、ACアダプターとバッテリーを取り外します。
裏面にある、HDDベイのネジを外しておきます。
ただし、ネジを外しただけでは、HDDを引き抜くことはできません。
本体裏面のネジを、可能な限り外します。どのネジをどこに戻すか忘れないために、プラスチック製のコインケースなどに区別して入れておきましょう。
マイナスドライバーを差し込んで持ち上げ、キーボードを外します。
右側と左側、二ヶ所でキーボードを持ち上げます。
キーボードが外れました。
パームレスト(キーボードの手前にある、手を置く部分)を取り外します。外し方がよくわからなかったのですが、適当に力を入れていたら外れました。
写真の手前にある水玉模様に見えるものが、ハードディスクドライブです。
HDDを取り外しました。マウンター(HDDを固定する部品)はあとで再び取り付けますから、HDDだけマウンターから取り除いておきます。
この空間に、IDEアダプターを取り付けたmSATA SSDを挿入します。
適当に押し込んでいたら、なんとかコネクターにmSATA SSDが刺さりました。空中にmSATA SSDが浮いている状態ですが、スペーサーなどは使用していません。その後1年以上経ってもSSD関連のエラーは発生していませんので、これでも特に問題ないはずです。
古いHDD以外の部品をすべて元に戻して、ThinkPad X40を起動します。
写真がブレてしまって文字が読めませんが、BIOSが新しいmSATA SSDを認識しました。
Boot Menuにも、新しいmSATA SSDが表示されています。この後、 Linuxの軽量ディストリビューションである、Ubuntu派生のLubuntuをインストールしました。
mSATA SSDの実力は?
無事にmSATA SSDを導入できたThinkPad X40ですが、それまでの低速HDDと比べれば、はるかに快適になりました。
Windowsではなく、比較的軽いLubuntuを使用する場合でも、HDDでの起動にはおよそ60秒かかっていました。mSATA SSDに換装したところ、20秒ほどで起動するようになりました。ほかの作業の所要時間も、3分の1程度になった印象です。
ただ、ブラウザで一度に30ページほど開くと、タブの切り替えに時間がかかりますし、メールを一通削除するだけで5秒ほどかかることもあります。このあたりのレスポンスは、HDDをSSDに変えても限界があるようです。
ThinkPad X40は、10年以上前の機種にしては優秀ですが、CPUが32 bitで1.2 GHz、RAMが1280 MBであり、これ以上の増設は不可能です。冒頭でお話ししたように、新機種を購入しなければならない時期に差し掛かっています。
ですが、改造は楽しかったですし、コストパフォーマンスの観点でも、長期間の節約に貢献してくれました。ThinkPad X40が記憶に残る機種となったことは間違いありません。