無通帳の「ゆうちょダイレクトプラス」開始。メリットは?
ようやく始まったゆうちょダイレクトプラス
2016年3月6日、ゆうちょ銀行が新サービス「ゆうちょダイレクトプラス」を開始しました。サービスのポイントは以下の通りです。
- 通帳が必要なくなり、今後の繰り越しも不要に
- 現在はインターネットで2ヵ月分のみ確認できる入出金明細が、15ヵ月分確認可能に
既にメガバンクやインターネット銀行では一般的なサービスですから、遅きに失した感は否めません。それでも今までよりは便利になるでしょうから、早速登録しました。
登録方法は簡単です。通常と同じようにゆうちょダイレクトにログインします。
ちょっとわかりにくいですが、画面左側に「ゆうちょダイレクト+(無通帳型総合口座)への切替」というボタンがあるのでクリックします。
通常は一つしかないはずですが、切り替えを行いたい口座を選択します。この後の画面でゆうちょダイレクトの暗証番号を入力すれば、切り替えは完了です。
なお、毎日23時55分から翌日の0時5分までの10分間は、切り替え手続きを行うことができません。私もこの時間内に手続きを行おうとしてエラーとなってしまいましたので、皆さんもご注意ください。
無通帳サービスの具体的なメリットは?
手続きを終えればゆうちょダイレクトプラスが利用できるようになりますが、基本的な使い方は今までのゆうちょ銀行口座とまったく変わりません。通帳が使えなくなり、記帳の必要がなくなることを除けば、キャッシュカードの切り替え手続きも、新たにゆうちょダイレクトのアカウントを設定しなおす必要もありません。
2015年夏にサービス開始が予告された時、私は「ゆうちょダイレクトプラスのサービス開始に合わせて、ゆうちょ銀行のVisaデビットカードなどが発表されるのではないか?」と予想していましたが、新サービスは特にありませんでした。マスコミでもインターネット上でもまったく話題になっておらず、はっきり言って期待していたほどではありません。
では、どのようなメリットがあるかといえば、次のような点が挙げられます。
記帳と繰り越しの必要がなくなる
改めて強調しますが、ゆうちょダイレクトプラスは無通帳サービスです。今までは、たとえパソコン・スマートフォンからゆうちょ銀行口座を利用する人であっても通帳を発行しなければなりませんでしたが、今後はわざわざ通帳を持つ必要はなくなります。
紙の通帳は、残高などを記帳する欄に空きがなくなった時に繰り越し手続きを行わなければなりません。頻繁に入出金する人はすぐにページが埋まってしまい、通帳の保管が面倒です。無通帳ならばこのような手間は省けますし、必要に応じてプリントアウトすることも可能です。
なお、ゆうちょダイレクトプラスでも、契約には印鑑(印章、お届け印)が必要です。窓口で手続きを行う際は、通帳ではなく、キャッシュカードと印鑑を提出します。
過去15ヵ月の入出金明細を確認できる
今までのゆうちょダイレクトでは、ログイン直後に表示されるのは「未記帳分の入出金明細」でした。記帳済みの入出金明細を表示することもできますが、過去2ヵ月分だけでした。
ゆうちょダイレクトプラスであれば、過去15ヵ月分の入出金明細を確認できますから、たとえばネットオークションの出品者の方は、過去の取引をゆうちょダイレクトプラスで確認しやすくなります。ゆうちょ銀行口座を個人事業用にお使いの方も、確定申告の書類を作成しやすくなります。
最初に述べましたが、これらのメリットは大手銀行やネット銀行では何年も前から提供されていましたから、「やっとゆうちょ銀行もスタートラインに立ったか」という印象です。ですが、ほんの少しでもユーザーのためにサービスを改善してくれるのはありがたいですから、今後もゆうちょ銀行に期待したいですね。