通信・モバイル

0円SIM付き雑誌・デジモノステーション2016年2月号。近日正式サービス開始!?

2016年1月26日、正式サービス開始決定

正式サービスが開始されました。こちらをご覧ください。

以下の記事は、古い内容となっています。

2015年のクリスマス、とんでもないSIMが登場

2015年12月25日、思いがけないクリスマスプレゼントが登場しました。

デジモノステーション 2016年2月号

一見すると、デジタル機器を紹介するだけの、何の変哲もない雑誌です。この「デジモノステーション 2016年2月号」が他の雑誌とは異なるのは、付録として「0 SIM by So-net」という、大手プロバイダー・So-netと提携した格安SIMが同封されているということです。

0 SIM by So-net

格安SIMはいわゆる「格安スマホ」の通信機能のみを提供する部品であり、スマートフォン・タブレットはオークションで中古を落札するか、SIMフリー(SIMロックフリー)の機種を購入するかという方法で、自分で用意しなければなりません。格安SIMは数多く販売されていますから、特に珍しくありませんね。ではこの雑誌に付いている「0 SIM by So-net」は何が違うかと言えば、

  1. 通常は税込3,240円の初期費用が0円。税込620円の雑誌を買うだけで格安SIMを手に入れられる
  2. 月間のデータ通信量が500MB以内ならば、月額利用料は0円になる。その後は従量制だが、税抜1,600円で5GBまで使える

ということです。つまり、毎月のデータ通信量を500MB以内に抑えれば、初期費用620円を払うだけで毎月0円で使い続けられるのです! 「格安SIM」どころか、驚きの「0円SIM」です。

私は雑誌の発売当日である12月25日の正午頃に、「0 SIM by So-net」が付録の「デジモノステーション 2016年2月号」の存在を2ちゃんねる・クレジット板の楽天カードスレッドで偶然知ったのですが、既にAmazon.co.jpでは品切れになっていました。

慌てて自宅近くの「ダイエー富雄店」(奈良県奈良市)の書店に向かったところ、一冊だけ「デジモノステーション」が残っており、運良く購入することができました。

しかし、ユーザーが広告を見る必要がない0円の通信サービスは明らかに採算が取れませんから、長続きするとは思えません。なぜ、So-netと「デジモノステーション」がこんな0円SIMの企画を行ったのかも不明です。根拠はありませんが、一年くらいでサービス終了するのではないでしょうか(後述のように、正式サービスが開始される可能性もありますが)。

もちろん、終了したら他社に乗り換えれば良いですから、それまでは0円で使い続けます。

「たった500MB」か、「500MBもある」のか

さて、「0円で使えるデータ通信量がたったの500MBなら、すぐにオーバーするだろう。普通の格安SIMを購入したほうが良い」とお思いになる方もいらっしゃるかもしれません。

ですが、私の場合は500MBでも多すぎます。なぜならば

  1. 私は通話を従来型携帯電話(ガラケー)で行うため、スマートフォンはデータ通信専用である
  2. 私は職場を兼ねた自宅にいることが多く、自宅では必ずWi-Fiにスマートフォンを接続するため、LTE/3Gのデータ通信量はほぼゼロ

だからです。

外出時にはSIMを使ってLTE/3G通信を行いますし、SIMカードが入っていなければスマートフォンにエラーメッセージが表示されますから、今までは月額500円ほどの格安SIMを利用していました。それでも高く感じましたが、今回、0円で使えるようになり、一層お得になりました。

スマートフォンはまったく操作しなくても勝手に通信を行ってしまいますから、Wi-Fiに接続できない場所にいることが多いと、すぐに500MBに達してしまいそうですね。ですが、主に航空機の中で用いる「機内モード」に設定することにより、通信を完全に遮断できます。通話とメールもできなくなりますが、通話用の携帯電話(ガラケー)を持っていれば問題ありません。

会社員や学生の方であれば、外出中にも動画を観たりゲームをしたり、資料の送受信を行ったりしてデータ通信する機会が多いでしょうから、0円ではなく普通の格安SIMのほうが良いかもしれません。しかし、私のような自営業者や主婦の方であれば、Wi-Fiと機内モードを活用することで、0円SIMを使いこなすことができます。

一般販売される可能性もある

さて、ただ「入手困難な0円SIM付きの雑誌を手に入れました!」とブログに書くだけでは、自慢にしかなりませんね。ですが、この0円SIM「0 SIM by So-net」は、一般販売される可能性があるのです。次のページをお読みになってください。

ふぉーんなハナシ:月額0円から始まる「0 SIM by So-net」は単なる“オマケ”では終わらない(かもしれない) - ITmedia Mobile (2016年1月6日掲載)

このページによると、0円SIMの提供元であるSo-netのサイト上に、今後の正式サービス開始を前提とすると思われる規約集が存在しています

実際に私もSo-netサイトのPDFファイルを確認してみましたが、デジモノステーション付属の0円SIMと同一のプランのほかに、音声通話と500MBまでの通信ができる月額・税抜700円のプランもありました。データ通信が少ないガラケー風スマートフォン「ガラホ」を用意すれば、通話可能な携帯電話を格安で持てそうですね!

もちろん、So-netが「採算が取れないから、やっぱり正式サービスは中止しよう」と判断する可能性もありますが、Wi-Fiメインでスマートフォンを利用し、通話用携帯電話もお使いになる方は、正式サービス開始をお待ちになってはいかがでしょうか。

月額0円なので、早速利用開始

普通の格安SIMは「使い始めた時点で課金が開始され、日割にはならない」ことが多いです。たとえば月額1,000円の場合、利用開始日が1日でも15日でも、初月に1,000円払わなければなりません。15日に使いはじめると、半月分の金額を損してしまいます。ですが、このSIMは月額0円ですから、いつ利用開始しようが関係ありません。そこで、購入当日の25日に早速使うことにしました。

docomoから販売されたスマートフォンであれば、ショップでSIMロック解除などの手続きをすることなく、スマートフォン本体のスロットにSIMを挿入するだけで、すぐに使い始められます。

ただ、この「0 SIM by So-net」は、現時点でもっとも小さいnanoSIMという規格のカードであるため、スマートフォン・タブレットがその大きさに対応していなければ利用できません。ですが、アダプターを使うことで、SIMカードの大きさを変更することができます。私は偶然、予備のアダプターを持っていたため、雑誌の購入当日に0円SIMを使い始められました。

SIMアダプター

アダプターと言っても、SIMカードを載せるだけのプラスチック製の皿です。写真には3種類のアダプターが写っていますが、私のスマートフォン、LG・docomoのOptimus Vu: L-06DはmicroSIM対応ですので、今回は一番上の「nanoSIMをmicroSIMに変換するアダプター」だけを使います。他は、nanoSIMを従来型携帯電話で使われていた通常SIMの大きさにするアダプターと、microSIMを通常SIMにするアダプターです。

ところでこのアダプター、パッケージの右下に赤いスタンプ風の文字で「FREE」と書かれていますね。見たところ中国本土で使われる漢字・簡体字が記載されていますし、上海あたりの電気街で無料配布されているのでしょうか?

残念ながら、日本ではSIM変換アダプターは無料配布されていませんので、楽天やAmazonなどで格安のものを購入しなければなりません。私が使ったのは以下の商品です。

アダプターを装着したnanoSIM

このようにしてnanoSIMをアダプターにセットしたら、スマートフォンから古いSIMカードを取り外し、いよいよ「0 SIM by So-net」をスマートフォンに差し込みます。念のため、古いSIMを0円SIMに入れ替える際は、電源を切っておきましょう。

L-06Dに0円SIMを挿入

ドコモサービスの初期設定

Optimus Vu: L-06Dに0円SIMを差し込んで電源を入れ直したところ、このようにドコモサービスを設定する画面が表示されました。設定して先に進みます。

まず、雑誌に記載されたとおりにAPNを設定します。このあたりは一般的な格安SIMと同じです。機種によって多少異なりますが、Androidの場合は「Androidの設定」画面から「無線とネットワーク」の欄にある「その他...」をタップして、「モバイルネットワーク」を選択します。次の画面で「アクセスポイント名」を選び、スマートフォン本体のメニューボタンを押して「APNの追加」をタップすることで、APNの設定を行えます。

0 SIM by So-netのアクティベーション

APNの設定を終えたら、FireFoxでもChromeでも良いので、ブラウザを起動して、適当なページに移動します。すると、上のようなアクティベート画面になりますので、氏名やクレジットカード情報などを入力して会員登録を行います(雑誌に記載されたURLにアクセスしても、同じページが表示されます)。

ご登録が完了しました。

無事に会員登録が済みました。回線の再接続が行われるため、画面右上のアンテナアイコンから「H」「LTE」などの文字が消えて、通信できなくなります。数秒後、アンテナアイコンに「H」「LTE」などの文字が再度表示され、無事に0円SIMを使える状態になりました。

So-netホームページ

なお、2015年12月25日金曜日20時59分に奈良の自宅でスピードテストを行ったところ、PING 122 ms, 下り 2.71 Mbps, 上り 0.50 Mbpsという結果となりました。Amazonレビューのほかの方の速度と比べると遅いですが、私は動画やアプリのダウンロードなどをWi-Fiで行い、LTE/3GはウェブサイトやSNSの閲覧専用としますから、充分に満足できる速度です。いえ、0円でこれは速すぎます。

注意点としては、「3ヶ月連続でデータ通信量がゼロだと、自動解約されてしまう」ということがあります。ただし、飽くまでもデータ通信量がゼロの場合であって、データ通信が1バイトでも行われていれば請求金額が3ヶ月連続0円でも自動解約にはならないと、カスタマーセンターに電話で確認済です。

毎日使うスマートフォンであれば、たとえWi-Fiメインでも多少はLTE/3G通信を行いますから、自動解約の心配なく0円で使えそうですね。

雑誌も面白かった

ほとんど0円SIM・0 SIM by So-netの話題になりましたが、この「デジモノステーション」は飽くまでも雑誌です。「スティックPC」の特集や「オンラインゲーム・DDONにおける心理学」など、0円SIM以外にも楽しめる内容満載で、620円という金額は雑誌単体で見ても妥当でした。

また、0円SIMの登録手続きを行うと、歌手のLiSAさんの動画を0円で観ることができたり、デジモノステーション電子版を2016年3月号から5月号までの3ヶ月分、0円でダウンロードできるようになるそうです。なにもかも0円で大丈夫だろうかと心配になりますが、編集部のご厚意に感謝しましょう。

30歳のクリスマス、嬉しいプレゼントをもらえました。

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