iCloudメールをパソコンで受信できない時の設定方法
iCloudメールをパソコンで受信できない原因はiOSアップデート
iPhoneなどのApple社製デバイスで利用できるiCloudメールアドレスは、Thunderbirdをはじめとするパソコン用のメールソフトでも送受信が可能です。
ただ、この画像のように「今まではパソコンでiCloudメールを問題なく使えていたのに、いきなり受信できなくなった!」ということもありますね。
もしかして、iCloudメールを受信できない状態になる前にiPhoneのiOSをアップデートしていませんか? もしもそうだとすれば、原因は「2段階認証」です。
Apple IDの2段階認証とは
Apple ID(多くの場合はiCloudアカウント)では、2段階認証を設定することでセキュリティを高められます。GoogleやTwitterにも同様の仕組みがありますね。
たとえば、一般的なウェブサイトやアプリにログインするためには、ID(メールアドレス)とパスワードを入力する必要があります。
ところが、2段階認証の設定を行うと、IDとパスワードを入力した後に、SMS(電話番号で送受信するショートメール)や専用アプリで「コード」を受け取り、再度入力しなければログインできなくなります。
Thunderbirdなどのパソコン用メールソフト、またはAndroidのメールアプリでiCloudメールを受信できないのは、2段階認証を設定したことが原因です。
iOSアップデートで2段階認証を設定した可能性
ここで先ほどの「iCloudメールを受信できなくなる前にiOSをアップデートしませんでしたか?」という話につながります。なぜなら、iOS のアップデートを行った際に2段階認証を設定した可能性があるためです。
私がiCloudメールをパソコンのThunderbirdで受信できないようになったのは、2017年3月29日にiPhone 6sをiOS 10.3にアップデートした直後のことでした。
それまではApple IDでは2段階認証の設定を行っていませんでしたが、アップデート中に2段階認証を促すメッセージが出たため設定を行ったのです(はっきりとは覚えていませんが、スキップも可能だったと思います)。
ほかにThunderbirdでiCloudメールを受信できない原因が思い付かなかったため、「2段階認証を設定したことが原因ではないか?」と思い至りました。
ThunderbirdでApple IDを2段階認証する方法
App用パスワードの生成
では、パソコン用のメールソフトでApple IDの2段階認証を解除し、再びiCloudメールを受信できるようにします。ここではThunderbirdを使います。
Thunderbirdなどで2段階認証を設定したApple ID(iCloud)メールを送受信するためには、「App用パスワード」という新しいパスワードを取得する必要があります。
まず、iPhoneで「Apple ID を管理」というサイトにアクセスし、Apple ID(iCloudメールアドレス)とパスワードを入力してログインします。
「Apple ID サインインが要求されました」と表示されたら、「許可する」を選びます。
するとiPhoneの画面に「Apple ID確認コード」という6桁の数字が表示されますので、サイト上の入力欄にその6桁の数字を入力し、ログインしてください。
Apple IDの管理画面では、「セキュリティ」を選択します。
App用パスワードという欄の「パスワードを生成…」リンクを押してください。
「パスワードのラベル」は何でも構いませんが、使用するメールソフトの名称など、わかりやすいものにしましょう。私は「Thunderbird (Ubuntu)」としました。入力したら画面右上の「作成」をクリックします。
「App用パスワード」が生成されました。このパスワードをメールソフトのiCloudメールアドレスで設定し直すことで、再びメールを送受信できるようになります。
この「App用パスワード」は、紙にメモするか、ホームボタンと音量を下げるボタンを一瞬だけ同時押ししてスクリーンショットを撮ることをおすすめします。撮ったスクリーンショットは「写真」アプリで確認できます。
Thunderbirdの設定
次に、メールソフト(Thunderbird)で設定を行います。iCloudメールを受信できない時に「ログインに失敗しました。」というダイアログが表示されるので、「新しいパスワードを入力」というボタンを押して「App用パスワード」を入力するだけです。
または、Thunderbird画面の右上にある 三 のようなボタンをクリックしてメニューを表示し、「設定」「設定」と進んで(同じ項目が2度続きます)、「Thunderbirdの設定」を開きます。
「セキュリティ」の「パスワード」タブを開いて「保存されているパスワード」ボタンを押し、次の画面で「パスワードを表示する」ボタンを押してから、icloud.comのメールアドレスを右クリックして「パスワードを編集」を選んで「App用パスワード」を入力することでも、パスワードを変更できます。IMAPとSMTPの2箇所でパスワードを変更してください。
これで、2段階認証の設定後もThunderbirdでiCloudメールを送受信できるようになりました。これでも受信できない場合は、「App用パスワード」を間違えていないか確認し、一旦ThunderbirdのiCloudメールアカウントを削除してから設定し直してください。
それでもエラーが出るなら、原因は2段階認証以外にあると考えられますから、Appleに問い合わせてください。