ゆうちょデビットの特徴とメリット・デメリット
2022年5月6日、ゆうちょ銀行(旧郵便貯金)が[15歳以上なら審査なしで発行できるVisaデビットカード「ゆうちょデビット」を開始しました。
ゆうちょデビットを含むVisaデビットカードは、クレジットカードと同様にVisa加盟店で商品代金を支払えますが、決済と同時に口座残高から引き落とされることが特徴です。
たとえば、楽天カードや三井住友カードなどのクレジットカードでは、「4月5日にカードで商品を買ったら、5月27日に銀行口座から代金が引き落とされる」というように、決済から支払いまで時間があります。
一方、ゆうちょデビットは、決済と同時に利用代金が口座から引き落とされます。
つまり、ゆうちょ銀行口座の残高が、そのまま利用限度額になるVisaカードというわけですね(正確には「1日50万円」など限度額が設けられています。後述)。また、ゆうちょ銀行のキャッシュカードも兼ねています。
ゆうちょデビットのデザイン
ゆうちょデビットはシンプルで、少し温かみがあるデザインです。

オモテ面にあるのはICチップ、Visaとゆうちょ銀行のロゴなどだけで、カード名義人やカード番号は記載されていません(この写真では白と緑のデザインですが、黒基調のカードもあります)。

Visaの「鳩のホログラム」のほか、氏名やカード番号など重要な情報は裏面に記載されています。
審査なし。15歳以上なら誰でも持てる
ゆうちょデビットはゆうちょ銀行の口座が開設済みならば審査なしで発行されます。本人確認書類も必要ありません。
対象年齢は15歳以上(中学校を卒業できる日付を過ぎていることが条件)ですので、ほとんどの方が申し込めることがメリットです。
還元率は0.25%と低いが、口座からの出金が必要なくなる
ゆうちょ銀行デビットカードの還元率は0.25%で、1%の楽天銀行デビットカードなどと比べると低いことがデメリットです。
ポイント還元ではなく、デビットカードを発行したゆうちょ銀行口座に、利用額税込400円ごとに1円が現金が振り込まれます。
キャッシュバック額は月間の利用金額を基に計算されるので、1回あたりの決済金額が400円未満でも、月間で400円を超えていれば還元対象です。
ただ、2022年1月17日から、ゆうちょ銀行ATMでは硬貨の入出金に最低110円の手数料がかかるようになったため、ゆうちょ銀行口座から手数料を払って現金を引き出さずにゆうちょデビットで支払えることはメリットとなります。
1日50万円・1か月100万円の限度額あり。海外手数料は4.0%
Visaデビットカードは銀行口座に入っているお金を支払いに使えるものですが、ゆうちょデビットには限度額が設けられています。
たとえば、「1回あたりの決済金額の上限」は初期設定で10万円で、設定を変更しても50万円が上限です。
– | 国内・海外ショッピング | 海外ATMでの現地通貨引出 | ||
---|---|---|---|---|
上限 | 初期設定 | 上限 | 初期設定 | |
1回 | 50万円 | 10万円 | 10万円 | 5万円 |
1日 | 50万円 | 10万円 | 10万円 | 5万円 |
1か月 | 100万円 | 30万円 | 30万円 | 10万円 |
また、海外利用時のサービス手数料が4.0%、海外ATM利用手数料が1回110円と高いこともデメリットです。詳細は以下のページで確認してください。
Visaのタッチ決済対応。一方、Google Pay・Apple Payには登録できない
ゆうちょ銀行デビットカードには波型の「リップルマーク」が付いており、「Visaのタッチ決済」による支払いを行えます。
Visaのタッチ決済は、2022年6月時点ではまだ対応店舗が少ないですが(追記:2025年9月時点では多くなってきました)、大手コンビニエンスストアやマクドナルドなどで導入されています。
ただ、ゆうちょデビットはGoogle Pay・Apple Pay非対応なので、スマートフォンに登録してVisaのタッチ決済やiD、QUICPayで支払うことはできません。
月額料金が支払えるかどうかはサービスによる
Visaデビットカードは、発行する銀行と使うサービスによって、月額料金を支払えるかどうかがまちまちです。ゆうちょデビットが月額料金に対応しているかどうかは公式サイトには記載されていません。
基本的に月額料金はデビットカードで支払えないので、最初はクレジットカードを登録し、運が良ければゆうちょデビットに変更できる……くらいの考え方が良いと思います。
ゆうちょデビット申し込み方法を画像で解説
ゆうちょデビットの作り方を画像付きで解説します。
ゆうちょ銀行のデビットカード申し込みページにアクセスしてください。なお、ゆうちょ銀行口座は開設済みという前提です。

画面下部の「今すぐ申し込む」または「今すぐゆうちょデビットを申し込む」ボタンを押してください。

デビットカードのデザインを選択し、「申し込みフォームへ」ボタンをクリックします。

注意事項が表示されるので、確認してから「確認しました」ボタンを押してください。

「メールアドレスのご登録」画面になりました。ゆうちょデビットの登録に使うメールアドレスを入力し、会員規定等を読んでから(読まないと先に進めません)「会員規定等に同意して次に進む」ボタンを押しましょう。

入力したメールアドレスに「ワンタイムパスワード」が記載されたメールが送信されますので、メールを確認してコピーし、「次に進む」ボタンを押してください。

「お申し込み情報入力」画面では氏名・生年月日を入力して「次に進む」を押します。

ゆうちょ銀行の「即時振替サービス」を申し込む画面になりました。
この後、画面の指示に従って口座番号(記号・番号)を入力し、ゆうちょ銀行に登録した電話番号を入力してください。
なお、この後すぐ、入力した電話番号宛てにかかってきた電話を受ける必要があるため、「自宅の電話番号を登録したが、外出中なので電話に出られない」といった場合は帰宅後に申し込み直してください。

上記の画面で「進む」ボタンを押すと電話がかかってきますので、伝えられた番号を書き留めてください。

電話で伝えられたワンタイムパスワードを入力し、「進む」ボタンを押しましょう。

入力したゆうちょ銀行の口座番号が表示されますので、確認してから「口座振替申込」を押してください。
この後、「口座振替設定完了」という画面が表示されますので、「次に進む」ボタンを押してください。

「お申し込み情報入力②」画面です。氏名・生年月日等はここまでに入力したものが既に表示されています。
この画面では以下の項目を入力してください。
- ローマ字氏名
- 性別
- 電話番号(携帯電話・固定電話の片方でOK)
- ゆうちょデビット暗証番号(キャッシュカードの暗証番号とは別)

全て入力出来たら、「入力内容を確認する」ボタンを押してください。

入力した内容が表示されますので、「確認しました」にチェックを入れてから「申し込み完了」ボタンを押しましょう。

「お申し込みありがとうございました。」と表示されたら、ゆうちょデビットの申し込み手続き完了です。
ゆうちょデビットが届くまで2週間かかる
インターネットでゆうちょデビットを申し込んでから届くまでには、およそ2週間かかります。かなり遅いですね。
私の場合は、2022年5月19日にゆうちょデビットを申し込み、6月2日に郵便(簡易書留)で届きました。

ゆうちょデビットが入った封筒です。

中にはゆうちょデビットのカードが入っており、台紙に限度額など(初期状態で10万円、変更可能)が印刷されています。

台紙の裏側には「ご利用方法」が書かれていますが、通常のクレジットカード・デビットカードと特に変わりません。
また、ゆうちょデビットを受け取ったら、手続きなしですぐに使えます。

ゆうちょデビットをVisa加盟店で使うと、ゆうちょ銀行の通帳(またはアプリ)に金額と「RT (ユウチョテ゛ヒ゛ット)」という文字が記載されます。
ただ、ゆうちょデビットの明細には加盟店名が記載されないようです。楽天銀行デビットカードなど他のVisaデビットカードでは加盟店の名称が表示される(ものが多い)ので、これもゆうちょデビットのデメリットと言えます。
コメント