日本テレビドラマanone第1話あらすじ感想とHulu見逃し動画
2018年1月10日から日本テレビで放送されている水曜ドラマ「anone」。
まだ第1話ということもあってテーマがはっきりせず、登場人物の人間関係もつかみきれませんね。
面白いかどうかと言うと……微妙なところです。
「anone」第1話のあらすじ・感想と、Huluで視聴できる見逃しネット動画の情報をご紹介します。
コミカルかシリアスか? テーマがはっきりしない
「診療のたびに医師が名言を伝えてくれる」と評判の病院で、余命半年と告げられる持本舵(阿部サダヲ)。
経営するカレー店を閉めることを決めます。
閉店の当日、突然来店する青羽るい子(小林聡美)。カレー店なのに空気読まずに焼きうどんを注文します。
「生まれて初めて焼きうどんを作った」と言う舵。名言とともに余命半年と医師に告げられたため、「名言恐怖症」になっています。
そこでるい子は話題を変えて、「一生でトイレに行く時間は3年」などくだらない話で盛り上がります。
さらに「プライベートだと思った」というよくわからない理由で、焼きうどん代を踏み倒そうとするるい子。
もちろんお金を請求する舵ですが、結局「お代は結構」ということに。
「有意義なことに人生を使えば良かった。それがわかれば有意義だった」とい言う舵。
るい子は、「私もね、死に場所。そういうのを探してたところなんです」と言い、2人はカレー店の車で旅立つことを決めました。
コミカルさが中途半端
……ここまでが冒頭のあらすじですが、どう反応すれば良いかよくわかりませんね。
まず、テンポが悪いです。「遅い」という意味ではありません。
ある場面はテンポが早くコミカルである一方、別の場面はシリアスで、テンポが遅くなります。
一貫性がありません。
冒頭の「カレー店で焼きうどんを注文して踏み倒す」「取り留めのない話をする」場面は、とてもコミカルです。
しかし、舵(阿部サダヲ)は余命半年ですし、るい子(小林聡美)はこの後の場面でわかるように、「会社の金を横領して5年服役し、出所後の今は死に場所を探している」状態です。
コミカル路線かシリアス路線か、はっきりしないんですよ。
もちろん、どんなに真面目な人でも冗談を言うことがありますが、このコミカルさは真面目なドラマとはミスマッチでしょう。
余命半年の舵に家族がいないため悲壮感がありませんし、横領で服役したるい子は明らかに再就職可能なのに死のうとしています。
そういう「軽さ」が、ドラマの方向性を不明瞭にしていました。
少女と独り身の女性の出会い
もっとも、冒頭の2人は脇役です。
ドラマのメインはこの後登場する辻沢ハリカ(広瀬すず)と林田亜乃音(田中裕子)です。
というか、「亜乃音」と書いて「あのね」と読むんですね……第1話では「林田」という苗字しか明かされないため、亜乃音の名前がanoneというタイトルにつながることがわかりません。
ネカフェ難民の主人公
暗い家で、猫に驚いてベッドから転落する初老の女性(林田亜乃音)。
画面に表示されるタイトル「anone」。
場所はかわり住宅街。遺品整理会社の面々。
「60代男性、死後1か月」の部屋を整理するために訪れました。
主人公の「ハズレ」こと辻沢ハリカ、同僚のブラジル人男性、もう1人の若い男性の3人です。
仕事が終わり、ハズレはスケートボードに乗って帰宅します。バックトゥザフューチャーでしょうか(というか道路交通法違反では……)。
ですが、ハズレには家がありません。一泊1,200円のネットカフェで一年間暮らしています。
心の支えは、スマホのメッセージアプリでやり取りする「友達というのとは少し違うけど」という男性、「カノンさん」(演・清水尋也)でした。
ハズレは、8歳から12歳まで、森の中にあるおばあちゃん(倍賞美津子)の家に住んでいました。
まるで絵本の中から出てきたような、幼い頃の楽しい思い出です。
ある日、ネカフェで同居する女性が「バイト仲間と海に行ったら札束を見付けた」と言い、もう1人と合わせて3人で海に向かうことになります。
夜、ハズレたち3人、林田亜乃音、持本舵と青羽るい子の3組は、別々の場所で同じ流れ星を見上げるのでした。
やはりリアリティがない
冒頭のテンポの悪さ・コミカルとシリアスのバランスの悪さはなくなりましたが、やはりドラマの方向性がはっきりしませんね。
ハズレたち女性3人は「ネットカフェ難民」ですが、悲惨さがあまり感じられないのです。
「抜け出せない底辺」ではなく、倦怠感からその場所にとどまっている感じ。
それも「生きる目的がわからない」ということなのでしょうが、ならば「平凡な暮らしがつまらない」という設定にすれば良かったんじゃないでしょうか。
しかも、さんざん「景気が回復している」と報じられる今だからこそ、余計に現実味がないんですよね(じゃあリーマンショック直後ならリアルに感じられるか? と言うと、それも違いますが)。
……とまあ、いろいろとあらすじにケチをつけてきましたが、この後、良い意味で期待を裏切られました。
ハズレの過去
ハズレたち3人は、海辺で札束が入ったバッグを発見します!
ところが、同居人の美空と有紗が言い争いを始め、美空がスタンガンで有紗を襲い、バッグを持って逃げ出します。それを追うハズレと有紗。
その様子を、「林田印刷所」と書かれたトラックに乗る人物が見つめていました。
美空の前に現れた林田亜乃音が「そのお金を使っちゃだめ」と叫び、バッグを奪還!
一方、飛び出してきた犬に驚いて倒れた有紗は、泣きながらハズレに「裏切るなら友達なんていらなかった」と告げます。
バッグは奪われたものの、一部のお金を手に入れた美空は、ドラッグストアで買い物しようとしていました。
そこへ亜乃音が再度現れてお金を奪い、トイレに流してしまいます!
店の外に出て亜乃音がバッグを蹴ると、偶然通りかかった舵とるい子が札束に気付き、奪って逃げようとします!
しかし2人が乗ったカレー店の車は別の車に進路を塞がれて急ブレーキをかけ、その拍子に道路に落ちたバッグは今度はハズレに奪われました。
誰も追ってこないことを確認し、美空と有紗の写真をスマホから削除するハズレ。
そんな時、幼い頃に見た、風車が並ぶ風景が目の前に広がることに気付きます。
偽りの記憶
森に入り、「おばあちゃんの家」を見つけるハズレ。そこへ亜乃音が追いかけてきます。
すると、家からスーツ姿の男性2人が出てきました。
「ここは全寮制の、不登校の矯正施設」「ほとんど虐待だった」「親に見放された子ばかり」「1人死んで閉鎖された」……。
信じられず、駆け出すハズレ。
ツリーハウスを見つけ、おばあちゃんを思い出します。しかし風見鶏に「間違っている」と言われました。
「その人はおばあちゃんじゃない。施設の先生だった」「本当のことを思い出せ」
回想、幼いハズレはピアノがある広間へ。「夢の世界みたい」と喜びますが……この記憶も間違いです。
本当は「給食が食べるのが遅い」「制服を着ない」など規律違反が多かったので、罰のために部屋に連れてこられたのです。
ハズレは「弟が好き」と言いますが、おばあちゃん……ではなく、先生は、「あなたのそんな態度が家族を苦しめる」と言い放ちます。
先生にツリーハウスに連れて来られ、「あなたの名前はハズレ」と決めつけられました。
ハズレと一緒にツリーハウスに監禁された男の子は、どんどん衰弱していきます。
そこに先生が現れて「ハズレ、返事をしなさい。あなたの名前は?」と問われ、彼女は「私の名前はハズレです」と認めました。
その後、ハズレの弟と両親は亡くなり、ハズレは別の児童養護施設に預けられることになりました。
……そして現在。
亜乃音に慰められるものの、何も言えないハズレ。亜乃音は札束が入ったバッグを持って立ち去ります。
トラックに飾った亡き夫の写真に、「何しでかしてくれるの」と呼びかけました。
ハズレは、ツリーハウスの窓に石を投げつけて割り、むせび泣きます。
カノンとハズレの関係
駅のそばを歩き、たまたま病院を見つけるハズレ。
病室の窓を見上げると、カノンに雰囲気が似た男性患者の姿を見つけ、スマホでメッセージを送ります。
「カノンさんに嘘をついていた」と告げると、突然カノンに「辻沢ハリカちゃん」という本名を呼ばれるハズレ。
実は、カノンはハズレと同じ更生施設にいた少年・紙野彦星でした。
2人は一緒に脱走した経験があります。その時見たのが、風車が並ぶ海辺の風景でした。
「私の名前は辻沢ハリカです」と、ようやく本名を言えるようになったハリカ。
彦星に会いたいと言うと、「それはできません。君にあったら死ぬのが怖くなってしまいます」と返されます。
「いくらお金があったら治療できるの」とハリカは問い、彦星は「あのねって言って外の話を聞かせてくれたら、僕はもう充分です」と答えます。
「毎日君に話します」「ありがとう、じゃあ」「あのね」「またね」
夜の闇の中で……。
夜、車の中で「あのお金っていくら入ってたんでしょうね」と、るい子に未練がましく尋ねる舵。
まだ死ぬ気のるい子は車を降り、海に向かって走ります。慌ててるい子を追う舵。
そこで2人は、札束を燃やす林田亜乃音を目撃します。
「ハズレ」ことハリカはネットカフェに戻りますが、美空と有紗の姿はありません。
突然場面が変わり、パチンコ店の両替機に紙幣を差し込む男性(瑛太)。しかし紙幣は返却され、男性はそれを破り捨てます。
ネットカフェのハリカは、紙幣が偽札であることに気付きました。
「後半で一気に面白くなった」という感想!
いやー、前半で「テンポが悪い」「テーマがわからない」などケチをつけましたが、後半で一気に面白くなりましたね!
大好きだったおばあちゃんは施設の教師で、しかも「ハズレ」というあだ名は虐待の一環で付けられたものだった!
「辛い過去を、楽しい思い出に書き換えてしまう」というあらすじは衝撃的ですし、現実でもあり得そうです。
「弟と両親が亡くなっていた」というハズレことハリカの過去も、後戻りできない、けれど未来がない閉塞感を印象づけます。
夫を亡くした林田亜乃音の過去と、最後のパチンコ店に突然現れた男性が何者なのかも気になるところです。
ただ、役者さんには申し訳ないのですが、持本舵と青羽るい子は蛇足ではないか? と思ってしまいます。
余命半年・服役5年という2人ですが、やっぱりなんか……軽いんですよね。
しかし、あらすじがわかった今となっては、退屈な前半で切らなくて良かった! 「anone」第2話に期待です。
「anone」公式ネット動画も配信中
日本テレビのドラマ・anoneは、2018年1月10日から毎週水曜日の午後10時に放送されます。
「見逃してしまった」という方、「途中から見始めたけれど、最初から見直したい」という方、安心してください。
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