Moto G5レビュー メリットはピュアAndroidよりバッテリー交換
2017年3月31日に発売されたMotorola(モトローラ)製スマートフォン「Moto G5」をいまさらレビューします。
これといった特徴はありませんが、バッテリー交換できるのが大きなメリットです。
Moto G5の外観を確認
Moto G5のパッケージと、本体の外観を見てみましょう。
緑色の鮮やかなパッケージです。お菓子みたいですね。
高級感はありませんので好みが分かれるところだと思いますが、私はポップな感じがするので好きです!
なお、付属品が欠品の中古を購入したため、付属品の写真は撮影できませんでした。
Moto G5にホーム画面を表示させたところです。
Androidらしく、気象情報などのウィジェットが初期状態で配置されています。
一方、アプリのアイコンはiPhoneと同じくホーム画面に表示してフォルダ化できると同時に、ドロワーにもアクセスできます。
Moto G5の裏側です。
こちらも、あまり高級感は感じられませんね。
金色ですが、素材はプラスチックなので、かえってチープに感じます。
このチープさもまた良いところなんですけどね。
また、背面はカーブしている形状なので、持った時にすべりやすいのがデメリットです。
スペックを2017年のAndroidスマホと比較
次に、Moto G5とほぼ同時期の2017年前半に発売された同レベルのAndroidスマートフォンのスペックを比較します。
機種名 | Moto G5 | Huawei P10 Lite | ZenFone 3 Max (ZC553KL) |
---|---|---|---|
発売日 | 2017年3月31日 | 2017年6月9日 | 2017年4月12日 |
実売価格 (2018年8月1日 価格.com) | 18,700円 | 23,000円 | 26,980円 |
画面サイズ | 5インチ | 5.2インチ | 5.5インチ |
画面解像度 | 1920 x 1080 | ||
大きさ | 73 x 144.3 x 8.7 mm | 72 x 146.5 x 7.2 mm | 76.2 x 151.4 x 8.3 mm |
重量 | 149g | 146g | 175g |
液晶パネル種類 | 不明 | IPS | |
初期OS | Android 7.0 | Android 6.0 | |
SoC (CPU) | Snapdragon 430 1.4 GHz | Kirin 658 Cortex-A53 2.1GHz x4 + Cortex-A53 1.7GHz x 4 | Snapdragon 430 1.4 GHz |
RAM | 2GB | 3GB | |
ROM | 16GB | 32GB | |
外部ストレージ | microSD, microSDHC, microSDXC (最大256 GB) | なし | |
au VoLTE | × | ○ | |
無線LAN(Wi-Fi)規格 | IEEE802.11a/b/g/n | IEEE802.11a/b/g/n/ac | IEEE802.11 b/g/n |
Bluetooth | Bluetooth 4.2 BR/EDR+BLE | Bluetooth 4.1 LE | Bluetooth 4.1 |
充電端子 | microUSB | ||
バッテリー容量 | 2800 mAh | 3000 mAh | 4127 mAh |
生体認証 | 指紋認証 | ||
センサー | 加速度, ジャイロ, アンビエントライト, 近接, センサーハブ | 加速度, ジャイロ, 光, コンパス, 近接 | |
背面カメラ | 1300万画素 | 1200万画素 | 1600万画素 |
前面カメラ | 500万画素 | 800万画素 | 800万画素 |
おサイフケータイ | 非対応 | ||
ワンセグ | |||
防水 |
繰り返しになりますが、これといった特徴がないスペックですね。
指紋認証とセンサーに関しては、3機種とも違いはありません。
Moto G5のみならず、P10 LiteとZenFone 3 Maxも、おサイフケータイとワンセグには対応していません。防水も非対応です。
SoC(CPU)は、Moto G5とZenFone 3 MaxはSnapdragon 430、P10 LiteはHuawei子会社のHiSilicon Kirin 658です。
au VoLTEに対応していないのはMoto G5だけです。Moto G5でUQ mobileを使うことはできません。
ほかは3機種とも違いがありませんが、特筆すべき点は5 GHzのWi-Fi IEEE802.11a/b/g/nに対応していることです。
そのため、BluetoothイヤホンなどとMoto G5を接続しても、混信する心配がありません。
不安なのは、Moto G5はROMが16GBしかないことでしょうか。
iPhoneの場合は、写真・動画を保存しなければ16GBでも充分ですが、Androidではすぐストレージ容量が満杯になってしまいます。
私がMoto G5を使っていた時も、容量不足が原因でGoogle Playでアプリを更新できなくなることがよくありました。
microSDカードを接続することもできますが、アプリは本体にしか保存できないので、充分とは言えません。
ベンチマークスコア
上に挙げた3機種のベンチマークスコアを比較します。
なお、P10 LiteとZenFone 3 Maxの3DMark以外のスコアは、ほかのブログから引用しています。ご了承ください。
- | Moto G5 | Huawei P10 Lite | ZenFone 3 Max (ZC553KL) | |
---|---|---|---|---|
Antutu | 総合 | 55090 | 76683 | 44112 |
3D(GPU) | 8964 | 12926 | 9214 | |
Geekbench | Single | 621 | 820 | 634 |
Multi | 2556 | 3432 | 2078 | |
3DMark | Overall | 291 | 393 | 292 |
Graphics | 238 | 324 | 241 | |
Physics | 1289 | 1507 | 1082 |
まずお断りしておきますが、いずれのアプリもバージョンが異なる可能性があるため、正確な比較は困難です。
私はそれぞれ「AnTuTu v7.1.0」「Geekbench 4」「3DMark Sling Shot Extreme OpenGL ES 3.1」を使用しました。
その上で、この表を見てわかるのは、Moto G5とP10 Liteのコストパフォーマンスの高さですね。
Moto G5は約19,000円、P10 Liteは23,000円でAntutuスコアがそれぞれ5万・7万点台です。
それに比べると、はっきり言ってZenFone 3 Max (ZC553KL)は価格の割に性能はそれほど高くないです。
ただ、中古のiPhone 6 (16GB)は1万円前後で買えて、AnTuTuスコアは7万点台なので、Androidの3機種は圧倒的に不利です。
飽くまでも、Moto G5とP10 LiteはミドルスペックのAndroidスマートフォンとしてはコスパ良し、ということです。
また、3D性能は3機種とも低いので、「デレステ」のような3Dを多用するゲームには向きません。
スコアの引用元は以下の通りです。
ピュアAndroidのメリットは?
Moto G5の最大の特徴と言えるのは、ピュアAndroidを搭載していることです。
たとえば、P10 LiteやMate 10などHuaweiのAndroidスマートフォンは、Androidをカスタマイズした「EMUI」という独自UIを搭載しています。
そのため、iPhoneと違ってAndroidは互換性などの面で懸念がありますが、ピュアAndroidではそのデメリットが解消されているのですね。
……と言いたいところですが、はっきり言ってMoto G5のピュアAndroidにはそれほどメリットを感じませんでした!
そもそも、Androidって自分でホームアプリ(ランチャー)を入れ替えたりしてカスタマイズできますよね。
だから別にピュアAndroidだろうがカスタマイズされていようが、ユーザーが再カスタマイズする時はあまり差がないわけです。
しかし、ピュアAndroidはアップデートが早いというメリットがあります。
……と言いたいところですが、少なくともMoto G5に関しては、ピュアAndroidならではのアップデートの早さはありませんでした。
DSDSとAndroid 8.0はまだですか?
Moto G5には、SIMカードスロットが2つあります。ただし、DSDS(Dual SIM Dual Standby)ではありません。
正確に言えば、2017年3月の発売以来、Motorolaは「アップデートでDSDSに対応する」と言ってきたのですが……およそ1年半経ってもそのアップデートは実施されていません。
また、Moto G5はAndroid 8.0(通称Oreo)にも対応予定ですが、2018年8月3日時点ではまだアップデートは配信されていませんね。
Huawei P10 Liteは2018年7月下旬にAndroid 8.0にアップデートされたので、ピュアAndroidがカスタムUIに先を越されたことになります。
そのほか、設定メニューなどにも特にこれといった特徴はありませんから、ピュアAndroidの優位性は見い出せない状態です。
メリットはバッテリー交換
というわけで、残念ながらMotorolaのMoto G5にはわざわざ買うほどのメリットは感じられませんでした。
スペック・コスパなら中古のiPhone 6(または6sかSE)に勝てません。
Androidに限るとしても、Huawei P10 Liteのほうが有利です。P10 Liteならau VoLTEとOreoにも対応していますし。
ただし、Moto G5には他機種には真似できないメリットがあります。それはユーザーが自力でバッテリー交換をできることです。
この写真は、Moto G5の裏蓋を開いたところです。このように、蓋を開いてSIMカードとバッテリーの着脱を行える仕様です。
ですが、蓋がものすごく固くて開けにくいので、本体を傷付けずに蓋を開けるのはほぼ不可能ですね。
iPhoneはもともとサービスプロバイダでバッテリーを交換してもらう必要がありますし、ここ数年のAndroidも大半が同様です。
そんな中でMoto G5はユーザーが自分でバッテリー交換できる、貴重なAndroidスマートフォンとなりました。
交換用バッテリーは入手不可?
……と、言いたいところですが!
どうやらMoto G5用のバッテリーは一般向けには販売されていないようです。
Moto G5のバッテリーの型番はGK40ですが、検索しても販売用のMotorola公式ページが表示されません。
Amazonやヤフオクには純正・互換問わずMoto G5用のバッテリーが出品されていますから、絶対に入手不可能というわけではありません。
ただ、Motorola公式ストアでバッテリーが販売されていないというのは、ちょっと不親切ですね。
購入ページはこちら
このように、Moto G5はバッテリー交換くらいしかメリットが感じられないAndroidスマートフォンでした。
ただ、バッテリー交換できるというメリットがあるため、1台のスマホを長く使いたい人にはおすすめできます。
スマートフォンの性能向上も頭打ち感がありますから、レスポンスの遅さにさえ我慢すればあと5年は使えるのではないでしょうか?
こちらの画像をクリックすると、Moto G5のAmazon販売ページに移動します。
ただ、なぜかAmazonでは中古のMoto G5が4万円台まで値上がりしていることもあるため、ヤフオクかメルカリ、ラクマでお求めになったほうが良いかもしれません。