IODATA無線LANルーターWN-DX1200GRレビュー 設定簡単で電波強い
IODATAの無線LAN(Wi-Fi)ルーターWN-DX1200GRの概要
IODATA(株式会社アイ・オー・データ機器)は、石川県金沢市に本社があるコンピューター周辺機器メーカーです。
今回私はIODATAの無線LAN(Wi-Fi)ルーター「WN-DX1200GR」を購入したため、使い勝手をレビューします。
IODATA WN-DX1200GRは2020年7月に発売されました。2022年4月時点で、新品は3,800円程度、状態が良い中古なら2,000円程度で購入できます(いずれも税込・送料込)。
通信速度の規格値は最大867MbpsでWi-Fi 5(IEEE802.11ac, 5GHz)にしか対応していませんが、一般家庭で使う分には十分です。
「今使っているONU(回線終端装置)にはルーターが内蔵されているけれど、無線LAN(Wi-Fi)に対応していない」という場合には、アクセスポイント(AP)としてIODATA WN-DX1200GRを接続すれば簡単に無線LAN化できます。
IODATA WN-DX1200GRの外観と使用イメージ
IODATA WN-DX1200GRの本体と付属品です。
スタンド、ACアダプタ、LANケーブル、セットアップガイドが付属していました。
IODATA WN-DX1200GRの側面です。
WAN側(フレッツ光ONUなどに接続する側)とは別に、LANケーブルでパソコンなどと接続できる端子が4つあります。
WPSとは、無線LANルーターのスイッチを押すと、対応する機器にパスワードを入力しなくても自動的にWi-Fi接続できる機能です。
また「リピーター」「ルーター/AP」というスイッチがありますが、IODATA WN-DX1200GRはリピーターとしても使用可能です。
無線LANのリピーターとは、電波が届きにくい場所がある際に、電波を中継して遠くでもWi-Fiを使えるようにする機器のことです。
ただ、通常はルーター/AP(アクセスポイント)として使用することになるでしょう。
我が家ではこのようにIODATA WN-DX1200GRを使用しています。
わかりにくいですが、ファックスの下に金属製ブックエンド(本立て)の底を置いて、その側面とファックス・フレッツ光ONUの間にIODATA WN-DX1200GRを挟んでいます。
壁を間に挟まず廊下に接することで、少しでも遠くまで電波を届けられる……ような気がします。
通常は付属のスタンドでIODATA WN-DX1200GRを立てて使うことになると思います。
IODATA WN-DX1200GRの機能・仕様
IODATA WN-DX1200GRの機能と仕様を、公式サイトから引用します。
WN-DX1200GR 仕様 | Wi-Fi(無線LAN)ルーター | IODATA アイ・オー・データ機器
項目 | 内容 |
---|---|
発売時期 | 2020年7月 |
有線規格 | IEEE802.3ab (1000BASE-T) IEEE802.3u (100BASE-TX) IEEE802.3i (10BASE-T) |
無線LAN規格 | IEEE802.11ac, IEEE802.11n, IEEE802.11a, IEEE802.11g, IEEE802.11b |
通信周波数 | 2.4GHz帯, 5GHz帯 (W52/W53/W56) |
使用チャンネル | 2.4GHz帯: 1-13ch 5GHz帯: 36,40,44,48,52,56,60,64,100,104,108,112,116,120,124,128,132,136,140ch |
伝送速度 | IEEE802.11ac: (5GHz) 最大867Mbps IEEE802.11n: (5GHz) 最大300Mbps IEEE802.11n:(2.4GHz) 最大300Mbps IEEE802.11a/g: 最大54Mbps IEEE802.11b: 最大11Mbps |
無線LANセキュリティ | WPA2-PSK (AES) |
インターネット接続方法 | IPアドレス自動取得, PPPoE認証 (1セッション), IPアドレス固定, IPv4 over IPv6 (MAP-E), IPv4 over IPv6 (DS-Lite), DHCPv6-PD |
無線LAN機能 | MACアドレスフィルタリング (最大32エントリー), マルチSSID設定, 自動チャンネル設定 (オートチャンネル), 送信出力制限, WPS, WMM, Wi-Fi設定コピー, リピーター, MU-MIMO, ビームフォーミング |
その他機能 | SPI, DoS攻撃防御, インターネット側からのPing応答拒否, インターネット側からの設定拒否, DHCPサーバー (最大253台), ポートの開放 (最大32エントリー), UPnP, IPv6ブリッジ, MTU設定, オートブリッジ, NTPクライアント, IPsecパススルー, PPTPパススルー, VNE自動切り替え機能, 回線自動判別機能 |
本体サイズ | 縦置き: 約151 x 80 x 156 mm (スタンド含む、突起部含まず) 横置き: 約151 x 150 x 41 mm (スタンド含む、突起部含まず) |
重量 (本体のみ) | 約270g (スタンド含む) |
先ほど述べたように、IODATA WN-DX1200GRは5GHzのWi-Fiには対応していますが、最大伝送速度は867Mbpsとさほど早くありません。
ただ、一般家庭で使うならば、リアルタイムの3Dゲームをしない限りは快適に使える速度です。
マルチSSID(2.4GHzと5GHzで2つずつ、合計4つのSSIDを設定可能)やポート開放など無線LANルーターとして一般的な機能を備えており、自宅でサーバーを運営するのでなければ機能面ではまったく問題ありません。
設定画面はシンプルでわかりやすい
IODATA WN-DX1200GRは、インターネット回線に接続するだけで自動的にルーターモードとアクセスポイント(ブリッジ)モードが切り替わります(本体スイッチでリピーターモードに設定した場合を除きます)。
どういうことかというと、現在、多くの光回線用ONU(回線終端装置)にはルーターが内蔵されており、別途ルーターを用意する必要がない場合が多いのです。
そのような場合に無線LANルーターを接続すると、「家庭内に大きなローカルネットワークと小さなローカルネットワークの2つが混在する」という状態になります。
そこで無線LANルーターを「アクセスポイントモード」にすると、「無線LANルーターの『ルーター機能』」が無効化されて、無駄なローカルネットワークが生成されることがありません。
この「アクセスポイントモードへの切り替え」を、IODATA WN-DX1200GRは自動的に行ってくれるのです。
つまり「ルーター機能はいらないから、今ある有線接続の回線を無線LAN化したい」という場合に適しています。
ただし、IODATA WN-DX1200GRでは手動でモード設定を行うことも可能です。
その他の設定画面も非常にシンプルなので、基本的にはSSIDとパスワードの設定を行う時くらいしか設定画面にアクセスする必要がないと言えます。
たとえば、「詳細設定」の欄は「本体のランプを点灯させるか否か」という項目があるだけです。
「無線LANルーターの設定は難しそう」とお悩みの方にも、設定がシンプルなIODATA WN-DX1200GRはおすすめです。
IODATA WN-DX1200GRの電波強度は? 他社製品と比較
家庭用の無線LAN(Wi-Fi)ルーターを選ぶ時に気になるのは、「電波は遠くの部屋まで届くだろうか」ということですね。
そこで、私が以前使用していた「TP-Link Archer C1200」とIODATA WN-DX1200GRの電波強度を、Android用アプリ「Net Analyzer」で測定しました。
TP-Linkは世界的な市場シェアを持つ中国の大手通信機器メーカーで、Archer C1200は2017年3月に発売されました。伝送速度や機能はIODATA WN-DX1200GRとほぼ同じです。
測定したのは「無線LANルーターから約10メートル離れた、木製の扉を2つ挟んだ場所」です。
結果はこのようになりました。
まず、5GHz帯は明確な改善が見られました。
5GHz帯同士を比較すると、IODATA WN-DX1200GRの電波強度は-70 dBmから-75 dBmで、-80 dBmから-85 dBmだったTP-Link Archer C1200より改善しています(マイナスの後の数字が小さいほど電波が良いことを示します)。
一方で、2.4GHz帯はIODATA WN-DX1200GRが-65 dBmから-85 dBmと安定せず、平均すると-70 dBmくらいでした。TP-Link Archer C1200は-70 dBmから-75 dBmだったので、改善したとは言えません。
速度は前機種と変わらないが、5GHz帯の改善により動画再生も安定
我が家では通信速度が上下とも最大1 GbpsであるNTT西日本の「フレッツ光ネクスト スーパーハイスピードタイプ隼」を契約しています。
平日の午前9時過ぎに上記の「無線LANルーターから約10メートル離れた場所」でスピードテストを行ったところ、IODATA WN-DX1200GRと前機種のTP-Link Archer C1200は、いずれも5GHz帯は下り100 Mbps, 上り40Mbps程度で大きな変化はありませんでした。
ただ、2.4 GHz帯はどちらも下り約2 Mbps、上りは「測定不可能」になったため、5 GHz帯がつながりやすいIODATA WN-DX1200GR のほうが優れていると言えるでしょう。
5GHz帯に接続してYouTubeの動画を視聴しましたが、画質が乱れたり途中で止まったりすることなく、安定して再生できました。
もちろん建物の構造や光回線の品質にもよりますが、IO DATAの「推奨利用環境」に記載されているように、「一戸建て3階建て・マンション4LDK」の家庭なら家中どこでもWi-Fiがつながると考えられます。
IODATA WN-DX1200GRの購入はこちら
IODATA WN-DX1200GRは、全国の家電量販店のほか、インターネットでも購入できます。
特にヤフオクは状態の良い中古品を税込・送料込2,000円程度で落札できるのでおすすめです。
以下の画像をクリックすると、楽天市場の販売ページに移動できます(品切れの場合もありますので、ご了承ください)。