MediaPad T5を2020年にレビュー Google使える最後の10インチHUAWEIタブレット?
2019年8月30日に発売された10インチAndroidタブレット、HUAWEI MediaPad T5のレビューです。
2020年6月時点ではYouTubeなどのGoogleサービスを使える最後のHUAWEIタブレットとなっています。
2019年発売のHUAWEI MediaPad T5ではGoogleサービスを使える!
HUAWEI MediaPad T5は、日本では2018年9月21日に発売された画面サイズ10インチのAndroidタブレットです。
ですがおよそ1年後の2019年8月30日、同一名称のHUAWEI MediaPad T5が発売されました。
モデル番号もまったく同じ「AGS2-W09」です。
いずれのHUAWEI MediaPad T5でも、Google PlayにアクセスしてAndroidアプリをインストールできます。
つまり、Androidタブレットに欠かせない動画サービスであるYouTube、Netflix、Huluなどを簡単に使えます。
(上の写真のMediaPad T5にはカバー付きケースを取り付けています。以下の写真も同様です)
2018年と2019年のHUAWEI MediaPad T5の違いは、ストレージ容量とSIMカード対応の有無です。
- 2019年版…Wi-Fiのみ。ROM 32 GB, RAM 3 GB。色はミストブルーとブラック
- 2018年版…Wi-FiモデルとLTE対応モデルの2種類。ROM 16 GB, RAM 2 GB色はブラックのみ
これ以外にスペックの違いはありません。
HUAWEI MediaPad T5(2019)はGoogleサービスを使える
今回レビューするのは、2019年8月に発売されたHUAWEI MediaPad T5です。
2018年版と違いLTE非対応ですが、私個人としてはLTE・SIMカードに対応したタブレットを屋外で使ったことは一度もないので、Wi-Fiのみで十分だと思います。
ROMが16GBから32GBに、RAMが2GBから3GBに増量されたことで、ストレスなく使えるAndroidタブレットとなりました。
ところで、世界的に報道されている通り、アメリカ政府が「HUAWEI製品には安全保障上のリスクがある」と表明したことで(本当かよ?)、HUAWEIのスマートフォン・タブレットにはGoogle Mobile Services(GMS)を搭載できないことになってしまいました。
ただし、GMSを搭載できないHUAWEI製品は2019年5月17日以降に発売されたもののみですから、2018年9月21日発売のMediaPad T5はYouTubeなどのGoogleサービスを使うことができます。
米商務省がHuaweiに事実上の「禁輸措置」 スマホやタブレットへの影響は? (1/2) - ITmedia Mobile
このページでレビューするHUAWEI MediaPad T5は2019年8月30日発売の32GBモデルですが、同一名称のモデルが禁輸措置発動前の2018年に発売されていたため、制裁対象とはなっていません。
HUAWEIは2020年6月2日にもタブレット「MatePad」シリーズを発売しましたが、MatePadにはGMSが含まれておらず、通常の手順ではYouTubeなどGoogleアプリを使うことができません。
MediaPad T5と10インチのMediaPad M5 liteおよびFire HD 10を比較
HUAWEI MediaPad T5と、同じく10インチのAndroidタブレットであるMediaPad M5 lite、そしてAmazonのFire HD 10を比較します。
iPadは用途も価格帯も異なるため比較しません。
Androidタブレットは、「音楽と動画を大画面で楽しむ」という用途に向いています。
- | MediaPad T5 (2019) | MediaPad M5 lite (10インチ) | Fire HD 10 (2019) |
---|---|---|---|
発売日 | 2019年8月30日 | 2018年11月30日 | 2019年10月30日 |
市場想定価格(税込) | 25,168円 | 32,868円 (32 GB, Wi-Fi) | 15,980円 (32 GB) |
Google Mobile Services (Google PlayやYouTubeなど) | ○ | × | |
SIMカード(LTE) | × | ○ (LTEモデルのみ) | × |
Wi-Fi | 802.11a/b/g/n/ac (5GHz対応) | ||
Bluetooth | 4.2 | ||
画面サイズ | 10.1インチ | ||
画面解像度 | 1920 x 1200 | ||
画面パネル種類 | IPS | ||
本体サイズ | 243 x 164 x 7.8 mm | 243.4 x 162.2 x 7.7 mm | 262 x 159 x 9.8 mm |
重量 | 465 g | 480 g | 505g |
メインカメラ | 500万画素 | 800万画素 | 200万画素 |
画面側カメラ | 200万画素 | ||
指紋認証 | × | ○ | × |
顔認証 | × | ||
タッチペン | × | HUAWEI M-Pen lite | × |
3.5 mmイヤホンジャック | ○ | ||
スピーカー数 | 2 | 4 | 2 |
防水・防塵 | × | ||
GPS | GPS/GLONASS/BDS | 不明 | |
センサー | 加速度 | 加速度、照度、光学近接、電子コンパス、ホール、距離 | アクセロメータ |
ハイレゾ | HUAWEI Histen | Harman Kardon, HUAWEI Histen 5.0 | Dolby Atmos |
バッテリー容量 | 5100 mAh | 7500 mAh | 不明(最長12時間) |
急速充電 | × | ○ 18W有線接続 | × |
MicroSD | 最大256 GB | 最大512 GB | |
充電端子 | microUSB | USB Type-C | |
SoC (CPU) | HUAWEI Kirin 659 (2.36 GHz + 1.7 Ghz) | 2.0 GHz | |
AnTuTuスコア | 約80000 | 不明 | |
ROM | 32 GB | 32 GBまたは64 GB | |
RAM | 3 GB | 3 GBまたは4 GB | 2 GB |
初期OS | EMUI 8.0 (Android 8.0) | Fire OS 7 (Android 9) |
10インチタブレット3機種の違いは?
これらの3機種で異なるのは、まず「Google Mobile Services(GMS)を使えるか否か」です。
Amazon Fire HDはGoogle Playにアクセスできず、Androidアプリを使えません(特殊な方法を使えばGoogle Playへのアクセスも可能です)。
といってもHUAWEIのように制裁を受けているわけではなく、Amazon独自のアプリストアを使う必要があるからです。
一方でHUAWEIのMediaPad T5とMediaPad M5 liteはいずれも2018年発売でGMSを使えるため、YouTubeやGmailなども簡単に使用可能です。
そのため、コストパフォーマンスだけならばFire HD 10が優れていますが、日常的にYouTubeを使うならMediaPad T5かMediaPad M5 liteのほうが良いでしょう。
続いてMediaPad T5とMediaPad M5 liteを比較すると、全体的にMediaPad M5 liteのほうが優れています。
MediaPad M5 liteは指紋認証、急速充電、4スピーカー、USB Type-C、タッチペンに対応していますが、MediaPad T5は非対応です。
言い換えれば、これらの機能が必要なければ、スペックがほぼ同じMediaPad T5でも満足できると思います。
MediaPad T5の開封と外観チェック
次に、MediaPad T5のパッケージを開封して外観を確認します。
箱です。シンプルで高級感があります。
箱を開けました。
MediaPad T5本体、microUSBケーブルとACアダプタ、説明書、SIMピンが入っています(Wi-FiモデルなのでMicroSD用ピンです)。
イヤホンはありません。
MediaPad T5本体の表と裏です。本体カラーはミストブルーです。
写真ではわかりにくいのですが、少しだけ水色っぽい銀色です。
電源を入れてセットアップを行いました。
ご覧のように、Googleサービスもごく普通に使うことができます。
画質は満足、音質は残念。足りない機能もたくさん
HUAWEI MediaPad T5を実際に3ヶ月ほど使用してみたレビューですが、画質は満足できるものの、音質はちょっと残念なレベルといったところです。
何度も繰り返し述べていますが、MediaPad T5は制裁前に発売されたため、Google Playでアプリをインストールできます。
そのため、YouTubeはもちろんNetflixやHuluも問題なく視聴可能です。
NHKプラスやTVerにも対応しています。
画面サイズは10.1インチ、解像度は1920 x 1200ピクセルですから、Blu-rayと同等の画質で動画を再生可能です。
一方で本体スピーカーの音質はあまり良くなく、AMラジオ以上、FMラジオ未満といったところです。
以前、当ブログではHUAWEI MediaPad M5 liteもレビューしましたが、そちらはタブレットとしては非常に高音質でした。
HUAWEI MediaPad M5 liteレビュー T5および無印M5との違いは?
優秀なMediaPad M5 liteと比べると、はっきり言ってMediaPad T5は残念な音質です。
ただ、高音質の音楽は楽しめませんが、テレビ番組を見る程度なら音質はそんなに気にならないですし、イヤホンを接続した場合は音質の悪さを意識することがありません。
指紋認証なし、今どきMicroUSB
さらに、HUAWEI MediaPad T5は指紋認証にも対応していないのが残念なところです。
このように、6桁のPINコードを設定するくらいしかセキュリティ対策を行えません。
しかし、タブレットで指紋認証が必要なアプリを使うことはあまりないので、不便に感じることはありません。
また、HUAWEI MediaPad T5はUSB Type-Cに対応しておらず、MicroUSB対応のACアダプターで充電する必要があります。
最近はUSB Type-C対応のスマートフォンが増えてきたのでMicroUSB対応アダプターも別に用意しなければならないのは面倒ですが、それ以外に困ることはありません。
ですが、バッテリー容量が5100 mAhしかなく、20%から80%まで充電するだけで3時間ほどかかるのはちょっと困ったところです。
結論。HUAWEI MediaPad T5は「壊れるまで使いたいタブレット」!
ちょっと短いですが、HUAWEI MediaPad T5のレビューを行ってきました。
結論としては、「動画視聴がメインなら十分。壊れるまで使い続けたい」です。
なぜならば、Google Playでアプリをインストールできる10インチのAndroidタブレットが他にほとんどないからです。
2019年6月以降に発売されたHUAWEIタブレットは(MediaPad T5のように型番を変えなかったものは除き)GMSを使えませんから、選択肢にするのは難しいでしょう。
それに対してAmazonのFire HDシリーズは「コスパ最強」ですが、Google Playが使えず、頻繁に広告が表示されるというデメリットがあります。
ほかにはLenovoやNECも日本でAndroidタブレットを販売していますが、いずれも「価格が高い割には性能が低い」というのが正直な感想です。
一方でHUAWEI MediaPad T5(2019年版)は実売価格が約2万円で、Android OSのバージョンも2017年リリースの8.0ですから、決して古くはありません(Android 8.0以降なら、大して機能は変わりません)。
指紋認証がない、充電端子がMicroUSB、スピーカーの音質が良くないというデメリットはありますが、それ以外に欠点もなく、無駄な機能がないシンプルなタブレットであるとも考えられます。
正直言って、毎日使うスマートフォンでこのスペックだとストレスを感じますが、動画視聴に1日1時間程度しか使わないタブレットですから、そういったデメリットもあまり感じません。
代替品となる商品も今のところ発売されないので、壊れるまで5年くらいは使い続けたいタブレットだと思いますね。
余談。Androidタブレットは日本で発売されないのか?
2019年までは、日本では「AndroidタブレットのメーカーといえばHUAWEI」という状況でした。
しかし、制裁によってHUAWEI製品がGMSを使えなくなったことで、HUAWEIのタブレットを選ぶ理由がほとんどなくなってしまいました。
詳しいデータは出しませんが、性能が良くてタッチペンなどにも対応しているタブレットといえばiPadですね。
では、iOS(iPad)ではなくAndroidタブレットといえば? ……というと、HUAWEIを除くとほとんど選択肢がないのが現実です。
一応、LenovoとNECが日本でもAndroidタブレットを販売していますが、はっきり言ってスペックの割には高いんじゃないかと思います。
Fire HDは前述のようにGoogle Playを使えずAmazon独自のアプリストアを使うため、YouTubeなどのアプリをインストールできません。
SamsungやXiaomiなどもAndroidタブレットを製造していますが、日本では販売されていないのが残念なところです。
つまり日本ではiPad以外のタブレットがほとんど選択肢とならない状態になってしまったのです。
ですから、今回取り上げたMediaPad T5のようにGoogle Playに対応したHUAWEIタブレットを壊れるまで使わざるを得なくなります。
それではさすがに壊れた後に困るので、アメリカ政府がHUAWEIへの制裁を解除してGMSを使えるようになるか、SamsungやXiaomiのAndroidタブレットが日本市場に参入することに期待したいですね。
HUAWEI MediaPad T5の購入はこちらから
当ブログでは基本的に「スマートフォン・タブレットは安い中古を買いましょう」とお伝えしています。
ところがこのHUAWEI MediaPad T5の場合、発売から1年以上経ってもほとんど値下がりしないという状況なんですね。
やはり、「Google Playを使える最後のHUAWEI製Androidタブレット」というところが大きいんでしょうか。
ですから、家電量販店やネットショップで新品を購入することをおすすめします。
下の画像をクリックすると、楽天市場のHUAWEI MediaPad T5販売ページに移動します。